教育ローン

教育ローンとは

教育ローンは、金融機関が個人に対して、教育関連費用に限定して融資を行うローンです。主に、高校、専門学校、大学などへの進学費用を対象としており、入学金や授業料などの高額な費用をカバーするために利用されます。学生の保護者が利用することが一般的ですが、社会人学生や法科大学院生など、一定の条件を満たす場合は学生本人が借りることも可能です。

教育ローンの概要

教育ローンは、住宅ローンや自動車ローンと同様に、金融機関が提供するローン商品の一つです。預金取扱金融機関やノンバンク（信販会社）が主に扱っており、勤務先によっては、福利厚生の一環として共済や健康保険組合などが融資制度を設けている場合もあります。融資は、原則として借り手の口座に融資金が振り込まれますが、多くの場合、学校や家主などの口座へ直接振り込まれます。

子供の教育は生活における優先事項であるため、教育ローンは、自動車ローンなどと比較して低金利に設定されていることが多いです。ただし、融資対象となる教育機関は、高等学校、短期大学、大学、高等専門学校、専門学校、各種学校、大学受験予備校などに限定されている場合が多く、保育園や習い事の費用は対象外となることが一般的です。一部の金融機関では、一条校だけでなく、学習塾やサポート校も対象としている場合もあります。

融資の対象となる費用は、学費だけでなく、受験料、教科書代、パソコンや電子辞書などの学用品、遠隔地への進学時の住居費なども含まれることがあります。ただし、自動車やオートバイの購入費用、自動車運転免許取得費用は対象外です。

教育ローンの借入の種類

教育ローンには、さまざまな借入の種類があります。

証書貸付型：
金融機関と契約を結び、融資額や返済方法を定めて借り入れる方法です。契約後の変更は原則としてできません。追加借入や返済期間の延長には、借り換えが必要になります。
分割借入：
在学期間中の学費をまとめて契約し、必要に応じて分割して借り入れる方法です。実際に借り入れた分のみに利息が発生します。
元金据置型：
在学期間中は利息のみを支払い、卒業後に元金を返済する方法です。据置期間中は元金が減らないため、利息額は膨らむ傾向があります。
親子リレー返済型：
卒業後に名義を子どもに移し、子どもが返済していく方法です。住宅ローンにも見られますが、条件が異なります。
極度枠設定型：
一定の極度枠内で、必要に応じて繰り返し借り入れることができる方法です。証書貸付型との併用も可能です。
カードローン型：
カードローンとして契約し、利用時に低金利で借り入れることができる方法です。返済方法はリボルビング方式です。
当座貸越・証書貸付併用型：
在学期間中は当座貸越で借り入れ、卒業後に証書貸付に切り替える方法です。
カードローン・証書貸付併用型：
当座貸越をカードローンとしたもので、ATMで借り入れができます。

教育ローンの申込方法

教育ローンの申込は、原則として定職と収入のある保護者が対象となります。必要書類は金融機関によって異なりますが、一般的には、保護者の本人確認書類、所得証明書類、親子関係を証明する書類、学生の入学・在籍証明書類などが必要です。審査の結果、保証会社の保証が受けられない場合は、融資が否決されることもあります。

また、医学部や私立法科大学院など、高額な費用がかかる場合は、自宅を担保とする有担保型教育ローンも利用できます。申込時には、事務手数料や契約書の印紙税を負担する必要があります。

教育ローンの借入先

教育ローンの借入先は、大きく分けて公的機関と民間の金融機関があります。

公的機関：
日本政策金融公庫などが、低金利の教育ローンを提供しています。しかし、制度が縮小されているため、利用できる条件が限られています。
民間金融機関：
銀行や信用金庫、信販会社などが、さまざまな教育ローンを提供しています。各金融機関で金利や条件が異なるため、比較検討することが重要です。

諸外国の教育ローン制度

アメリカでは、学生本人を対象とした「student loan」が一般的で、民間金融機関が積極的に融資を行っています。連邦政府は、これらの民間ローンに対して債務保証や利子補給を行うことで学生を支援しています。

日本の奨学金制度

日本には、教育ローンとは別に、学生本人を対象とした奨学金制度があります。日本学生支援機構（JASSO）が提供しており、無利息の貸与（第一種奨学金）と有利息の貸与（第二種奨学金）があります。奨学金は、毎月一定額が貸与される点が、一括で融資される教育ローンと異なります。また、奨学金は成績によっては返済が免除される制度もあります。

まとめ

教育ローンは、教育費用の負担を軽減するための重要な手段です。しかし、金利や返済方法、利用条件などを十分に理解し、計画的に利用することが大切です。複数の金融機関を比較検討し、ご自身に最適な教育ローンを選びましょう。

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