新屋島水族館

新屋島水族館：屋島山上からの眺望と多様な海洋生物

香川県高松市屋島東町、標高約300メートルの屋島山上という絶好のロケーションに位置する新屋島水族館。その歴史は1969年、屋島山上水族館として開館したことに始まります。四国電力の子会社などの出資により誕生し、高松琴平電気鉄道関連会社が運営していましたが、2006年に閉館。その後、世界的な水槽メーカーである日プラの子会社であるせとうち夢虫博物館株式会社が事業を引き継ぎ、改修を経て「新屋島水族館」として再オープンしました。

この事業譲渡には、日プラにとって新屋島水族館が最初の納入先であり、いわば同社の事業の原点であるという背景がありました。運営再開にあたり、日プラは直径10メートル、高さ4.4メートル（地上部2.2メートル、地下部2.2メートル）の360度パノラマで観覧できる大規模な回遊プールを新設。より魅力的な水族館を目指したリニューアルが施されました。

しかし、新屋島水族館の歴史は、順風満帆とは言い難い道のりでした。2008年には、隣接地にせとうち夢虫館を移転オープンさせましたが、瀬戸内海国立公園内の建造物規制などの制約から、わずか1年で閉館。その後も、老朽化や国立公園内での改修の困難さから閉鎖の危機に直面するなど、幾多の困難を乗り越えてきました。2014年には閉鎖が発表されるも、地元からの強い要望や関係各所の尽力により、リニューアル計画を経て営業を継続。高松市も屋島活性化のため、国立公園内での規制緩和に向けた働きかけを行いました。

2018年には、高松市が公設民営方式によるリニューアルを検討しましたが、最終的には日プラによる自社リニューアルが行われることとなり、2019年11月にリニューアルオープンを果たしました。2020年にはイルカ水槽もリニューアルされ、以前の約2倍の広さとなり、イルカたちのより快適な環境が実現しました。

多様な生き物たちの楽園

現在、新屋島水族館では約150種類もの多様な生物が飼育されています。その中には、日本国内で生態展示を行っているのは当館と沖縄美ら海水族館のみというアメリカマナティーをはじめ、バンドウイルカ、フンボルトペンギン、ゼニガタアザラシ、バイカルアザラシ、オタリア、コツメカワウソなど、魅力的な生き物たちが勢ぞろい。来館者は、彼らの愛らしい姿やダイナミックな動きを間近で観察できます。

楽しいイベント盛りだくさん

新屋島水族館では、飼育生物とのふれあいを楽しめる様々なイベントも開催されています。土日祝日には、イルカによる寸劇を取り入れた「イルカ劇ライブ」が、平日はイルカ解説ライブが実施され、イルカの知性と魅力を存分に堪能できます。ライブ後には、イルカやゼニガタアザラシへの餌やり体験も可能です（有料）。その他、フンボルトペンギン（冬季は鳥インフルエンザ予防のため中止）、コツメカワウソ、ウミガメなどへの餌やり体験も楽しめます。金魚や渓流の魚への餌やりも人気です。

親しみやすい公式キャラクター「マナやん」

新屋島水族館の公式キャラクターは、マナティーの「マナやん」です。2019年4月に誕生したマナやんは、ロックバンド・KISSを彷彿とさせる左目の星とリーゼント風のキャベツが特徴。水族館のPR活動だけでなく、瀬戸内フレスコボール親善大使や香川ファイブアローズ公認キャラクターとしても活躍しています。

アクセスと料金

水族館開館に合わせて、琴電屋島駅～屋島山上間のシャトルバスが運行されています。JR屋島駅にも乗り入れるため、アクセスも良好です。入館料は、大人1500円、中学生・高校生700円、小学生・3歳以上の幼児500円、65歳以上700円です。障がい者の方は無料（要手帳提示）。


新屋島水族館は、屋島からの素晴らしい眺望と、多様な海洋生物、そして魅力的なイベントが楽しめる、家族連れにもおすすめのスポットです。

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