新日本電工

新日本電工株式会社

新日本電工株式会社は、フェロアロイ（合金鉄）の生産を主な事業とする日本の鉄鋼メーカーです。

概要

新日本電工は、鉄とその他の金属の合金であるフェロアロイ（合金鉄）の製造および販売を手がけるメーカーです。主力製品はフェロマンガンなどのマンガン系合金鉄であり、その他フェロクロムやフェロバナジウム、フェロシリコンなどの合金鉄も扱っています。これらの合金鉄は、主に製鋼過程における添加剤として使用され、大手鉄鋼メーカーである日本製[[鉄]]が資本参加しています。2010年には、当時の新[[日本製鐵]]が日本電工を持分法適用関連会社としました。

合金鉄の製造・販売のほか、マンガン酸リチウムなどの新素材、ホウ素製品などの工業薬品、水処理装置（主に金属回収装置）の製造・販売も行っています。

本社は東京都中央区に所在し、国内に徳島、鹿島、妙高、富山、日高、郡山の6工場を有しています。このうち徳島工場と鹿島工場は、電気炉を保有する合金鉄の主要な生産拠点です。

沿革

新日本電工は、その前身となる大垣電気冶金工業所として1925年（大正14年）に設立されました。その後、株式会社電気冶金工業所への改組（1935年）、日本電気冶金株式会社への社名変更（1936年）を経て、1949年（昭和24年）に株式上場を果たしました。

1963年（昭和38年）には、同じくフェロアロイメーカーであった東邦電化株式会社と合併し、日本電工株式会社に社名変更。事業拡大とともに、1969年（昭和44年）に徳島工場を新設、1971年（昭和46年）には極東工業株式会社を吸収合併しました。

グローバル展開も積極的に進め、1993年（平成5年）には南アフリカにNSTフェロクロムを、2002年（平成14年）にはSAJバナジウムを設立しました。

2010年（平成22年）には、新[[日本製鐵]]（現・日本製[[鉄]]）が発行株式の15%を取得し、同社の持分法適用関連会社となりました。2013年（平成25年）には本社を東京都中央区築地から現在地に移転しています。

2014年（平成26年）には、株式交換方式により旧住友金属工業系であった中央電気工業を完全子会社化し、経営統合。社名を新日本電工株式会社に変更し、現在に至ります。

グループ企業

2020年12月末時点で、新日本電工グループは、新日本電工本体と7つの子会社、そして2つの関連会社で構成されています。

主なグループ企業は以下の通りです。

中央電気工業株式会社：完全子会社。
電工興産株式会社：倉庫業を手がける完全子会社。
共栄産業株式会社：日本電工や三井物産・東ソーの製品などを扱う商社。

過去には、中国のシリコマンガンメーカーである錦州日電鉄合金有限公司や、南アフリカのフェロクロムメーカーであるNST Ferrochrome (Pty)Ltd.、アルミ電解コンデンサ用電極箔メーカーの日高エレクトロン株式会社などがグループ企業に名を連ねていましたが、現在は資本関係の変更や解散によりグループから離れています。

その他

日高工場のある様似町の幌満川中流には、新日本電工が所有する幌満川第3発電所ダムと水力発電所が設置されています。

人材育成

新日本電工は、社員の能力開発にも力を入れています。優秀な社員を産業技術短期大学へ派遣し、専門知識や技術を習得させる「オフ・ザ・ジョブ・トレーニング（OFF-JT）」を実施しています。これは、製造現場における知識創造と人材の多機能育成を目的とした取り組みです。

参考文献

『メイド・イン・ジャパン-日本製造業変革への指針-』（ダイヤモンド社、1994年）
『産業技術短期大学大学案内2011』（産業技術短期大学、2010年）
『産業技術短期大学五十年のあゆみ』（学校法人鉄鋼学園　産業技術短期大学、2012.4.25）

関連項目

日本[[鉄鋼連盟]]
産業技術短期大学

外部リンク

* 新日本電工株式会社

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