日光猿軍団

日光猿軍団：栄光と波乱の歴史

日光猿軍団は、かつて栃木県日光市を拠点に、猿まわしを主体としたエンターテイメントを提供していた団体であり、その公演を行うテーマパークでした。1984年に間中敏雄氏が独学で猿に芸を教え始めたことから始まり、1990年代にはテレビ出演やCMなどで一世を風靡しました。

概要

元々、日光江戸村で土産物店を経営していた間中敏雄氏が、周防猿まわしの会に触発され、猿まわしを始めたのがきっかけでした。1990年に日本モンキーセンターから猿を譲り受け、「日光猿軍団」を結成。1992年には猿のテーマパークをオープンし、「お猿の学校」などの演目で人気を博しました。

従来の猿まわしと異なり、人間と猿が1対多の関係であること、女性が猿まわしを行うことが特徴でした。総勢約50匹の猿が在籍し、それぞれに調教師が付き、学校形式で役割分担がされていました。

演劇場では、「お猿の学校」「お猿のおもしろ芸」「お猿の十二支」「お猿の忍者」など、様々な演目が公開され、多くの観客を魅了しました。また、テレビ出演やCM、映画製作など、多岐にわたる活動を展開し、その名は広く知れ渡りました。

猿軍団の成功を受け、間中氏は「神山温泉オートキャンプ場」を開業し、H.C.日光アイスバックスの設立にも尽力するなど、地域振興にも貢献しました。

閉館

2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で、調教師の多くが帰国・離職し、後継者不足や猿の高齢化が進みました。来園者の激減も重なり、2013年に閉園を決断。多くのファンが駆けつけ、往時の賑わいを取り戻しました。

閉園後、間中屋は「日光まなかの森」として再出発し、干し芋の製造販売に注力。また、中国での猿まわし劇場のプロデュースにも携わりました。施設は「日光猿軍団記念館」として一時的に再開され、猿軍団の歴史を伝える展示が行われました。

復活

2015年、ライバル関係にあった村﨑太郎氏が日光猿軍団の土地建物を買収し、「日光さる軍団」として再オープンしました。ただし、出演する猿は太郎次郎一門に所属する猿のみで、従来の日光猿軍団の猿は関わっていません。

一方、間中利美氏も「モンキーエンターテイメント」を立ち上げ、猿のエンターテイメントの世界で活動を続けています。

アクセス

かつての日光猿軍団へのアクセスは、東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅または新高徳駅からバスを利用するか、鬼怒バイパスを経由して車で向かうことができました。

CM

独立局を中心にCMが放送され、特に干し芋「いも学校」のCMは閉園後も放映されていました。

CD・カセット

「モンキー・パラダイス〜日光猿軍団の歌〜」や「桃太郎」など、数多くのCDやカセットが発売され、人気を博しました。

商標権事件

類似名称を使用する団体との間で商標権を巡る訴訟が発生しましたが、和解により解決しました。

フジテレビ「ほこ×たて」虐待事件

フジテレビの番組で、猿に虐待行為が行われたことが発覚し、問題となりました。間中氏は、猿軍団としての関与を否定するコメントを発表しました。

関連項目

天使のウィンク 日光猿軍団 - 当園を舞台とした映画
H.C.栃木日光アイスバックス - チーム設立時に出資

日光猿軍団は、一時代を築いたエンターテイメント集団であり、その栄光と挫折の歴史は、多くの人々に記憶されています。

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