日本パーカライジング

日本パーカライジング株式会社

日本パーカライジング株式会社（にほんパーカライジング、英: Nihon Parkerizing Co., Ltd.）は、東京都中央区日本橋に本社を置く、金属表面処理技術を核とする日本の化学メーカーです。鉄、アルミニウム、ステンレス、亜鉛といった幅広い金属素材に対し、その表面を高度に処理する技術を提供しています。

概要

同社は、金属素材の強度向上、塗装性能の向上、あるいは耐久消費財の美観を長期間保護するための防錆など、多岐にわたる表面処理技術を展開しています。これらの技術は、自動車、電機、建材など、さまざまな産業分野で活用されています。高い付加価値を持つ製品開発を推進し、多角的な経営戦略を展開することで、顧客の多様なニーズに応えています。

事業は国内に留まらず、国際的にも展開しています。アメリカ、中国、韓国、台湾、タイをはじめとする世界11カ国に進出し、現地に合弁企業または自社の子会社を設立・運営しています。これにより、グローバルな供給体制を構築し、世界中の顧客に技術と製品を提供しています。

主な事業内容

日本パーカライジングは、以下の主要な事業を展開しています。

- 薬品事業: 金属表面処理に用いられる化成処理薬剤、圧延時に使用される圧延油、金属製品の保護に不可欠な防錆油、さらには高度な機能を付与する無電解めっき液などの開発、製造、販売を行っています。
- 加工事業: 自社の技術や設備を活用し、顧客からの委託を受けて金属部品などへの表面処理加工（防錆、熱処理、めっき、塗装など）を提供しています。
- 装置事業: 金属表面処理プロセスに必要な各種装置の開発、製造、販売を手掛けています。具体的には、前処理装置や電着塗装装置、製造工程で発生する排水を処理する設備、金属製品に均一な塗膜を形成する粉体塗装装置、エネルギー効率を高める熱交換器などがあります。
- その他の事業: 主力事業に加え、鉄鋼製品の輸出や、再生可能エネルギー分野として太陽光発電による電力の販売も行っています。

沿革

日本パーカライジング株式会社は、日本の金属表面処理業界において長い歴史を持っています。主な沿革は以下の通りです。

- 1928年（昭和3年）7月12日: 設立。米国のパーカー・ラストプルーフ社より技術を導入し、事業を開始しました。
- 1931年（昭和6年）7月: 東京工場を新設。
- 1940年（昭和15年）10月11日: 軍部の要請に応じ、傍系会社として株式会社日本パーカーライジング広島工場を設立。
- 1948年（昭和23年）12月28日: 株式会社城南パーカライジング工場（現在のパーカー加工）を設立。
- 1951年（昭和26年）8月23日: パーカー商事株式会社（現在のパーカーコーポレーション）を設立。
- 1960年（昭和35年）3月: 新東和通商株式会社（現在のパーカーエンジニアリング）を買収し、グループ企業としました。
- 1961年（昭和36年）10月: 東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
- 1963年（昭和38年）5月: 前橋工場を新設。
- 1967年（昭和42年）: 2月に台湾に「中日金属化工有限公司」を設立し海外進出を開始。同年9月には東京証券取引所市場第一部へ市場変更を果たし、伊丹工場も新設。
- 1968年（昭和43年）: 4月に古河工場、5月に九州第一工場・九州第二工場を新設。
- 1969年（昭和44年）: 勝田工場、平塚第一工場を新設。
- 1970年（昭和45年）5月: 大阪証券取引所市場第一部に上場。
- 1979年（昭和54年）: 6月に米国に「ツルテック」、7月にタイに「タイパーカライジング」を設立するなど、国際展開を加速。
- 1996年（平成8年）4月: 秩父小野田株式会社（現・太平洋セメント）よりアイオニクス事業（粉体塗装機器）を買収。
- 2002年（平成14年）6月: 日本カニゼン株式会社を買収。

これらの歴史は、技術導入から始まり、国内外への事業拡大、関連会社の設立・M&Aを通じて、現在の総合的な金属表面処理企業としての地位を確立してきた過程を示しています。

主な取引銀行

同社の主な取引銀行は以下の通りです。

- みずほ銀行東京法人営業部
- 三井住友銀行東京中央支店
- 三菱UFJ銀行八重洲通支店
- 千葉銀行東京営業部

役員

代表的な役員として、最高経営責任者である代表取締役会長の里見多一氏、最高執行責任者である代表取締役社長の佐藤乾太郎氏などがいます。

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