日本動物園水族館協会

公益社団法人日本動物園水族館協会 (JAZA)

公益社団法人日本動物園水族館協会（JAZA）は、日本国内の動物園と水族館で構成される団体です。この協会の目的は、教育活動の充実、動物福祉の促進、そして希少動物の保護・繁殖にあります。設立時から、動物愛護の視点を重視し、持続可能な動物園や水族館の運営を推進してきました。元々は文部科学省の所管下にありましたが現在は独立した形で活動を行っています。

構成と会員数

2022年8月時点で、正会員数は日本国内の動物園が90、そして水族館が50の計140園館に達しています。これに加えて、82団体の維持会員が存在しており、協会の活動を支えています。ただし、近年は新規加盟よりも脱退が続き、全体の数は減少傾向にあります。なお、動物園や水族館は団体としてではなく、代表者が個人として正会員になっています。そのため、すべての動物園や水族館の代表者が加盟しているわけではなく、一部の都道府県（奈良県、鳥取県、香川県、佐賀県など）では会員がいない状況も見られます。

脱退の経緯

2015年、太地町におけるイルカ追い込み漁についてJAZAが世界動物園水族館協会から除名勧告を受けたことが発端となり、太地町の「くじらの博物館」が脱退しました。その後、2017年には新江ノ島水族館、下関市立しものせき水族館、竹島水族館など、国内の4つの水族館が協会から離れました。このように、近年は代表的な施設の脱退が相次いでおり、協会の影響力に影を落としている要因の一つとなっています。

公式名称と略称

JAZAの公式な略称はアルファベットの「JAZA」です。しかし、他にも「日動水協」、「日動水」、「動水協」といった略称も用いられることがあります。これらの略称は、日常的な会話や文章での便宜から使われています。

資格認定試験

協会では、飼育技師資格認定試験を実施しており、これには動物園飼育技師と水族館飼育技師の2つのカテゴリがあります。なお、この資格は法令による規定がない民間資格です。

新体制

2022年6月には、新たに第17代目の会長として村田浩一が就任しました。村田氏は横浜動物園ズーラシアの園長としても知られる獣医師であり、今後の協会の活動に期待が寄せられています。

特典と認定

JAZAは、公益のために私財を寄附した個人や法人を対象に、紺綬褒章の申請ができる公益団体として内閣府から認定を受けています。寄附額は一定基準を満たす必要がありますが、これによりさらなる支援を受けられる仕組みづくりがされています。これらの制度は、より多くの人々が動物福祉に対する意識を高める手助けとなることを目指しています。

以上、公益社団法人日本動物園水族館協会の活動や構成、最近の背景について詳しく述べました。この団体の取り組みは、日本の動物園や水族館の存続、さらには動物福祉の向上を目指す重要な役割を果たしています。

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