日本点字図書館

日本点字図書館について

日本点字図書館（にっぽんてんじとしょかん）は、東京都新宿区高田馬場に位置する、視覚障害者のための図書館です。略称は「日点（にってん）」で、視覚障害者向けの書籍、特に点字図書や録音図書を中心に製作・貸出を行っています。この図書館は、日本国内で最も大きな視覚障害者用図書館として知られており、多様なサービスを通じて障害者の情報アクセスをサポートしています。

機能とサービス

日本点字図書館は、視覚に障害を持つ方々に向けた、様々な図書館サービスを提供しています。具体的には、点字図書・点字雑誌の貸出、録音図書の製作・貸出、専門書の対面朗読、個人朗読サービス（プライベートサービス）などを行っており、視覚障害者のニーズに対応する形で、包括的な情報提供を実施しています。

また、中途失明者向けの点字教室や視覚障害者のためのIT教室も設けており、技能習得を通じた自立支援も重視しています。さらに、盲人用具の販売や発展途上国の視覚障害者支援など、国内外での活動も活発です。

沿革

日本点字図書館は、1940年に本間一夫によって「日本盲人図書館」として創設されました。それから数回の移転を経て、1948年には現在の名称に改称され、視覚障害者のための図書館として再出発しました。この間、図書館法に基づく図書館ではなく、身体障害者福祉法に基づく「視聴覚障害者情報提供施設」として位置づけられました。

その後も、定期的に新たなサービスや制度が導入されました。1955年には厚生省からの委託で点字図書の製作・貸出事業が開始され、1958年には録音図書事業「声のライブラリー」が始まりました。その後も、多くの事業を展開し続けています。

特徴的な建物

図書館の建物は、鈴木エドワードの設計によるもので、外観の鎖は「知の滝」を象徴しており、独特のデザインが目を引きます。このような設計は、知識の流れや視覚的な情報のリーチを表現していると考えられています。

著作権と視覚障害者

視覚障害者向けの点字図書や録音図書は、著作権使用料が免除されているため、著作権者の同意なしに製作や貸出が可能です。また、点字の信書や出版物に関しては、郵便料金も免除されるサポート体制が整っています。

知識の普及活動

図書館は、著名な著述家や学者からの許諾を得て図書を製作しており、多くの著名人からの応援も受けています。また、日本点字図書館は数多くの関連書籍を出版し、視覚障害者に対する福祉や、図書館サービスに関する情報を提供しています。

結論

日本点字図書館は、視覚障害者のための多様な図書館サービスを提供し続けることで、社会全体の認識を広め、知識のアクセシビリティを向上させるための重要な役割を果たしています。今後も、さらなる革新と支援を通じて、すべての人々が平等に知識を享受できる環境を作り続けることが期待されます。

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