日本銀行旧小樽支店金融資料館

日本銀行旧小樽支店金融資料館

日本銀行旧小樽支店金融資料館は、北海道小樽市色内にある資料館です。かつて日本銀行の小樽支店として利用されていた建物を、2003年から日本銀行の広報施設として再活用しています。この建物は小樽市指定文化財にも指定されており、無料で一般公開されています。

歴史

20世紀初頭、小樽は商業都市として急速に発展し、多くの銀行がこの地に集まりました。その様子から、小樽の銀行街は「北のウォール街」と呼ばれるようになりました。日本銀行もその一つとして小樽に進出し、1912年（大正元年）に小樽支店が竣工しました。設計は、東京駅の設計者としても有名な辰野金吾、長野宇平治、岡田信一郎らが担当しました。建物は、煉瓦造りの上にモルタルを塗った2階建てで、ルネサンス様式が取り入れられています。また、屋根には八幡製鉄所製の鉄骨が使用され、東側の塔にはイギリス製のらせん階段が設置されています。当時の総工費は40万円に上り、日本銀行本店、大阪支店に次ぐ高額なものでした。

2002年9月13日に小樽支店は営業を終了し、札幌支店に統合されました。その後、改築工事を経て、2003年5月14日に金融資料館として新たに開館しました。館内には、歴史や金融に関する様々な資料が展示され、日本銀行の広報施設としての役割を担っています。

施設概要

館内には、日本銀行小樽支店時代のデザインがそのまま残されています。岐阜県赤坂産の大理石を使用したロビーや営業場のカウンター、煉瓦の壁と鉄骨を組み合わせた吹き抜けの天井、アイヌの守り神であるシマフクロウをモチーフにした12体の塑像などが特徴です。

展示スペースは、主に以下の3つのゾーンに分かれています。

歴史展示ゾーン: 日本銀行の歴史をパネルで紹介するほか、第二次世界大戦後の紙幣の実物を展示しています。また、「北のウォール街」と呼ばれた当時の小樽の街並みを再現したミニチュア模型も展示しています。
業務展示ゾーン: 日本銀行の主要な業務について、パネル展示で紹介しています。紙幣の発行過程や金融システムについて学ぶことができます。実際に使用されていた金庫も公開しており、「1億円を持ち上げてみよう」コーナーでは、1億円の重さを体験できます。
マルチメディアコーナー: 大型ビジョンで金融に関するビデオを上映しています。日本銀行のホームページを閲覧できるインターネットコーナーも設置されており、日本銀行に関するクイズに挑戦することもできます。

周辺

資料館周辺には、かつて「北のウォール街」と呼ばれた通りに、数多くの歴史的建造物が残っています。

旧北海道銀行本店（小樽バイン）
旧三井銀行小樽支店
旧北海道拓殖銀行小樽支店
旧三菱銀行小樽支店（小樽運河ターミナル）
旧第四十七銀行小樽支店（小樽紙商事）
旧第百十三銀行小樽支店（小樽浪漫館）
旧郵政省小樽地方貯金局（小樽文学館・小樽美術館）

その他、小樽運河や旧国鉄手宮線跡地、小樽郵便局なども近くにあります。

関連事項

歴史主義建築
ウォール街
* 小樽市指定歴史的建造物

外部リンク

日本銀行旧小樽支店金融資料館ホームページ'>日本銀行旧小樽支店金融資料館ホームページ

この資料館は、小樽の歴史と金融について深く学べる場所として、多くの人に親しまれています。

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