日浦市郎

日浦市郎: 将棋界の実力者

日浦市郎（ひうら いちろう）、1966年3月4日生まれは、日本の将棋棋士であり、安恵照剛八段の門下生です。彼の棋士番号は164で、出身地は北海道静内郡静内町（現在の新ひだか町）です。

棋歴

日浦の将棋人生は、1976年に小学5年生で参加した第1回小学生将棋名人戦での準優勝から始まりました。1980年には中学3年生のころに奨励会に入会。1984年の4月4日には四段に昇段しプロとしてのキャリアをスタートさせましたが、この時期は順位戦に間に合わなかったものの、その後着実に実績を積み重ねていきます。

特に注目すべきは、羽生善治に対して高い勝率を誇る「羽生キラー」としてのキャリアです。1989年度の新人王戦では準々決勝で羽生に勝利し、決勝では中川大輔を破り初の棋戦優勝を果たしました。順位戦では第47期にC級1組に昇級し、18年間連続で負け越しがないという驚異的な成績を維持しましたが、62期目に初めて負け越してしまいました。

また、竜王戦でも数々の成果を上げ、第4期竜王戦では3組に昇級し、以降も佳作を続けました。2012年には公式戦通算600勝を達成し将棋栄誉賞を受賞しています。

棋風

日浦の棋風は居飛車を好み、特に矢倉戦法を多く用いるスタイルです。攻撃力が強く、一旦局面が進むと激しく攻め合う傾向がありますが、逆にまずい形勢になると早々に投了する傾向もあります。これは、自身の得意戦法に対する固執と、勝負に対するシビアな判断を反映していると言えるでしょう。

エピソード

若き日浦は文筆も得意としており、「将棋世界」や「週刊将棋」などの雑誌にユーモアを交えた記事を寄稿していました。また、通常の対局とは異なり、クールビズスタイルを好むことでも知られていました。さらに、アマチュア棋士の瀬川晶司のプロ編入の問題に対して、少数派として早期から支援を行ったこともあり、この行動は注目を浴びました。

2021年には新型コロナウイルスに感染し、これは日本のプロ将棋棋士として初の事例となりました。感染後、約1週間で回復しましたが、対局に与えた影響は大きかったでしょう。

近年の動向

日浦は2021年度にはNHK杯での活躍を見せるなど勢いを取り戻しましたが、2023年度には順位戦でC級2組に降級が決まるなど厳しい状況に直面しています。それでも、彼の実績と棋士としての姿勢は多くのファンに支持されています。

昇段履歴・成績

日浦は、1980年11月に奨励会に入会し、その後急速に昇進しました。各段階で勝数規定に基づく昇段を果たしており、特に八段に昇段した際にはその意義が際立ちます。また、彼の在籍期間や棋戦優勝は棋士としての特徴的な部分を示すものであり、個々の成績は彼の努力の証です。

総評

将棋界において日浦市郎は、激しい攻撃力と独自の棋風で知られる棋士です。その競技の精神と積み重ねた実績から、彼は将棋ファンにとって特別な存在であり、今後の動向にも期待が寄せられています。

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