旧古河庭園

旧古河庭園について

旧古河庭園（きゅうふるかわていえん）は、東京都北区西ケ原に位置する都立庭園で、1919年に古河財閥の古河虎之助男爵の邸宅として整備されました。現在、この庭園は国有財産として一般に公開された国の名勝です。特にバラの名所としても知られており、多くの訪問者に親しまれています。

概要

1956年4月30日に「都立旧古河庭園」として開園したこの場所は、面積約30,780.86平方メートルを占める特殊公園（歴史）に分類されます。2013年の年間訪問者数は237,257人に達しました。また、1982年には東京都名勝に指定され、2006年には「旧古河氏庭園」としても国の名勝に認定されました。

歴史

西ケ原の地域は、平安時代以降、特に戦国時代にかけての歴史が色濃く残っており、中世には豊島氏が勢力を誇りました。関連文献によると、「平塚城」がこの地域に築かれ、戦いの舞台となったことが記されています。さらに時を経て、江戸時代には植木の生産地として知られており、明治期には歴史的な邸宅が建設されていきました。政治家の陸奥宗光がこの地域に住居を構え、彼の盟友である渋沢栄一も邸宅を持つ等、明治・大正時代の富豪・権力者の拠点として栄えました。

古河家の邸宅

古河虎之助が築いた古河邸は、外装が英国風のデザインで、延べ面積414坪、地上2階、地下1階から成ります。建物の設計は有名な建築家ジョサイア・コンドルによるもので、水道や庭園の工事を手掛けた京都の庭匠、七代目小川治兵衛によって日本庭園も整えられました。古河邸は豪華な接客空間と家庭的な居室を兼ね備え、和と洋の調和が美しく表現されています。

園内の構成

旧古河庭園は、武蔵野台地の斜面を活用し、洋館が台地上に、そして斜面には洋風庭園、日本庭園が配置されています。それぞれが見事な美しさを誇り、訪れる人々にとって癒しの空間となっています。

洋館

旧古河邸は洋館とは外観がスコティッシュ・バロニアル様式であり、内部には豪華な大食堂、ビリヤード室が用意されています。1階には客間や喫煙室が洋室で、寝室などは和室です。特に全ての空間の隔てには洋風のドアが使われ、和と洋が調和した空間が魅力です。

バラ園

洋館の南側には美しいバラ園があり、多種多様なバラが植えられています。イタリア式庭園とフランス式庭園が融合したデザインで、季節ごとに見事な花を楽しむことができます。春と秋には「バラフェスティバル」が行われ、多くの訪問者が集まります。

日本庭園

日本庭園は滑らかな曲線の池泉回遊式庭園で、心字池を中心に設計されています。静かな雰囲気の中で、様々な樹木や花が美しい景観を提供し、癒しの空間を醸し出しています。

利用のご案内

旧古河庭園の開園時間は午前9時から午後5時まで、期待されるイベント時には時間が延長されます。一般の入園料は150円、シニアや学生は割引があります。また、庭園内の洋館はガイドツアー形式で見学可能で、特にバラの季節には予約が推奨されます。

交通アクセス

旧古河庭園へのアクセスは、JR上中里駅から徒歩7分、駒込駅からは12分ほどかかります。地下鉄南北線の西ケ原駅からも徒歩約7分。周辺にも六義園や飛鳥山公園への訪問が可能で、散策には持ってこいのスポットです。

総括

旧古河庭園は、歴史的背景と自然の美しさが融合した特別な場所です。バラや日本庭園を楽しむだけでなく、庭園全体が持つ文化的価値や静けさに触れることで、訪れる者に深い感動を与えることでしょう。

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