明智平ロープウェイ

明智平ロープウェイ：華厳の滝と日光の絶景を望む空中散歩

栃木県日光市にある明智平ロープウェイは、雄大な自然に抱かれた観光名所です。東武鉄道グループの日光交通が運行するこのロープウェイは、明智平駅と展望台駅をわずか3分で結び、華厳滝や中禅寺湖、男体山といった日光の代表的な景観を一望できる絶好のロケーションにあります。

歴史と変遷：路面電車とケーブルカーから続く歴史

明智平ロープウェイの歴史は古く、1933年に日光登山鉄道によって開業しました。しかし、1943年には不要不急線として一時休止、その後1950年に東武鉄道により営業再開という波乱万丈の歴史を歩んできました。不要不急線として撤去されたロープウェイの中で、営業再開を果たした唯一の路線であるという点も特筆すべきでしょう。1985年には日光交通へ営業が譲渡され、現在に至ります。

かつては、日光駅や東武日光駅から路面電車（東武日光軌道線）とケーブルカー（東武日光鋼索鉄道線）を乗り継いで明智平までアクセスすることができました。しかし、道路整備などの社会情勢の変化に伴い、1968年に路面電車、1970年にはケーブルカーが廃止され、現在では明智平ロープウェイのみがアクセス手段となっています。

駅舎と施設：新たな展望スペースと快適な設備

明智平駅には、かつては「明智平パノラマレストハウス」と呼ばれる大規模なレストハウスが併設され、ドライブインとしての機能も果たしていました。しかし、老朽化のため2016年に食堂営業を休止、2017年から2018年にかけて解体されました。現在では、駅舎内に小規模な売店があり、ホットスナックや飲料のテイクアウト店、トイレなどが併設された新棟が設置されています。レストハウス跡地は、日光市街やかつてのケーブルカーの線路跡を見渡せる展望スペースとして整備され、新たな魅力を生み出しています。

展望台駅は2階建てで、2階が展望台となっています。展望台周辺からは茶ノ木平へのハイキングコースも整備されていますが、冬季は閉鎖されます。

ロープウェイのデータ

全長：0.3km
高低差：86m
最急勾配：30°
最高速度：9km/h
走行方式：交走式
定員：16人
運転時分：3分
駅数：2駅

アクセスと周辺情報

明智平ロープウェイへのアクセスは、日光駅や日光道清滝ICから第二いろは坂を経由するのが一般的です。第二いろは坂は日光駅方面から中禅寺湖方面への一方通行となっているため、中禅寺湖方面からのアクセスには注意が必要です。

2021年7月からは、明智平駅の駐車場が有料化されました（ロープウェイ利用者は無料）。東武バス日光も明智平駅付近に路線バスを運行しており、日光駅・東武日光駅から中禅寺温泉行き、湯元温泉行きのバスでアクセスできます。

明智平ロープウェイを利用した後は、急坂を登り、半月山や中禅寺湖を目指すハイキングコースを楽しむこともできます。

近年の出来事

2021年10月には支索脱索によるトラブルが発生し、一時運休となりましたが、その後復旧し営業を再開しています。ロープウェイ車両のデザインは、赤色を基調としたものから、2024年現在は東武N100系電車（スペーシアX）のプロモーションデザインに塗り替えられています。

関連項目

東武博物館（2001年まで使用されていた搬器が展示）
東武日光軌道線
東武日光鋼索鉄道線
中禅寺温泉ロープウェイ

明智平ロープウェイは、歴史と自然が融合した魅力的な観光スポットです。日光観光の際には、ぜひ利用してみてください。

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