最高財務責任者

最高財務責任者（CFO）とは

最高財務責任者（Chief Financial Officer、略称：CFO）は、主にアメリカの法人において、理事会（会社の場合は取締役会）の指示のもと、法人の財務に関する業務全般を統括する役員、執行役員、または執行役の名称です。CFOは、その組織における財務戦略の要であり、組織の財政健全性を維持し、成長を促進する上で不可欠な役割を担います。

CFOの役割と責任

CFOは、最高経営責任者（CEO）や最高執行責任者（COO）と同様に、法人の重要な役員として位置づけられます。一般的には理事会または取締役会によって選任されますが、定款の定めによっては社員総会（株主総会）で選任される場合もあります。また、理事会や取締役会はCFOをいつでも解任する権限を持っています。

CFOの主な職務は、理事会や取締役会、そしてCEOの指揮のもと、組織の財務に関する業務を統括することです。具体的には、会計、予算管理、信用取引、保険、税務、資金調達など、あらゆる財務関連の業務に責任を持ちます。アメリカ法曹協会は、CFOを「主要上級執行役員」と分類しており、組織運営において非常に重要な役割を担っていることがわかります。

日本におけるCFOの立ち位置

アメリカにおけるCFOは、日本の企業における財務部長や財務本部長に相当すると考えられます。業務範囲は多岐にわたり、キャッシュフローや投資の管理、経営計画策定における数値的裏付けの作成など、企業の経営戦略において非常に重要な役割を果たします。CFOはCEOやCOOの「片腕」として、経営陣の一員として経営判断を左右する場面も多く、理事会や取締役会の構成員である場合も少なくありません。

CFOの選任と組織構造

法人の資金授受に関する責任の所在を明確にするため、カリフォルニア州のように、法人法典でCFOの設置を義務付けている州もあります。伝統的に法人の役員とされる会計役がCFOを兼任することも多く、基本定款や付属定款に特別な定めがない限り、CFOを置かない場合は会計役がCFOの役割を担うことになります。

一方、法人の設立された国や州によっては、役員の名称に関する規定がないため、会計役を置かずにCFOを設置するケースや、CFOの統括下に会計役や経理部長を置く場合もあります。

現在の日本においては、CFOを定義する法律は存在せず、あくまでも企業内部の職制上の名称に過ぎません。

日本におけるCFOの多様な役割

日本国内の非日系企業では、日本法人の規模が小さい場合、経理や総務などの管理部門全体をまとめる最高総務責任者（CAO）が、対外的な分かりやすさからCFOを名乗ることもあります。

また、外資系企業では、米国公認会計士（CPA）、公認会計士、経営学修士（MBA）などの資格を持ち、会計事務所での勤務経験がある人物が外部からCFOとして招聘されることが多いです。一方、日本企業では経理部門や財務部門からの内部昇格によってCFOに就任するケースが多く見られます。

まとめ

最高財務責任者（CFO）は、組織の財務戦略を策定し、実行する上で欠かせない存在です。アメリカでは法的にその役割が定義され、企業運営における重要な役割を担っています。日本ではCFOの定義は法律で定められていませんが、グローバル化が進む現代において、日本企業においてもCFOの役割はますます重要になっています。

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