木藤玲子

木藤玲子氏は、1960年11月15日、北海道札幌市に生まれた日本の声優、ラジオパーソナリティーである。

幼少期からエンターテイメントの世界に興味を持ち、小学校時代にはテレビで放送されていたマリリン・モンローの声優オーディションを見て、自身も声優になりたいという漠然とした憧れを抱いた。二歳上の姉がおり、姉妹二人で漫画を声に出して読み合う遊びを通して、表現への関心を育んだという。中学校時代には漫画家を目指し、特に少女向けの恋愛漫画を愛読し、創作にも熱中した。

高校時代には演劇部に所属し、舞台活動に積極的に取り組む。出演した創作ミュージカルが札幌地区で入賞するなど成果を上げ、この頃から役者としての道に進むことを意識し始める。

北海道札幌東商業高等学校卒業後、1980年に上京。東京アナウンス学院放送声優科に入学し、専門的な学びを深める。卒業後は俳優小劇場の研究生となり、本格的に舞台俳優としての活動を展開した。

舞台での経験を積む傍ら、声優としても活動を開始。1981年放送のテレビアニメ『ヤットデタマン』で声優デビューを飾る。その後、『魔法のプリンセス ミンキーモモ|魔法のプリンセス_ミンキーモモ』（1982年-1983年）では、主人公モモのパートナーであるモチャー役で初のレギュラー出演を獲得し、広く認知されるようになる。キャリアの初期には楡プロダクションや賢プロダクションに所属していた時期もある。

1980年代前半はテレビアニメを中心に精力的に活動。『キャプテン翼』では病弱ながら天才的なサッカーセンスを持つ三杉淳役、『Dr.スランプ アラレちゃん』ではチビやショッパマン役、『未来警察ウラシマン』ではマーガレット役など、少年役から少女役、個性的なキャラクターまで幅広く演じ分けた。特に、自身が唯一主人公を演じた『ななこSOS』が放映を終了した1983年頃まで、その存在感を示した。

しかし、この時期に健康上の理由から一時的に活動を休止、声優業界から離れることとなる。

一時引退後は、生まれ故郷である北海道に戻り、活動の拠点を移す。テレビアニメの第一線からは退いたが、地元のローカル番組を中心に活動を再開。現在は主にテレビやラジオにおけるナレーション業務が活動の中心となっている。落ち着いた語り口や表現力は、北海道の視聴者や聴取者に親しまれている。

近年は、後進の育成にも力を注いでいる。札幌市内の専門学校である札幌放送芸術専門学校や、株式会社キシプロ付属養成所・Kstudioなどで講師を務め、自身の経験や技術を次世代の声優や表現者に伝えている。

これまでの出演作品は多岐にわたる。

主なテレビアニメ出演作に『魔法のプリンセス ミンキーモモ|魔法のプリンセス_ミンキーモモ』（モチャー）、『キャプテン翼』（三杉淳）、『ななこSOS』（ななこ）、『ヤットデタマン』（マリヤ）などがある。

ゲームでは『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』で三杉淳役を再び担当。

吹き替えでは『愛のそよ風』や『ガールズ』に出演。

ラジオ番組としては、FM北海道の『流星通信』やAIR-G'（FM北海道）の『キョウ☆コレ』、『朝MORi』などに出演。また、NHK-FMシアターでは複数の作品で声の出演を果たしている。

舞台活動も継続しており、谷崎尚之主宰の『たんず劇場』公演に参加。

その他、北海道テレビ放送のキャラクター「onちゃん」のミニアニメや、テレビ北海道のローカルアニメ『ヘイ!ヘイ!シュルーム』にはreiko名義で声の出演をしている。科学映像作品『うさみみ玉手箱』への出演や、CD付き絵本『ぼくはまあべあ』の「まあべあ音頭」で歌唱も担当するなど、幅広い分野で活動を展開している。

声優としてのキャリア初期に人気アニメで主要キャラクターを演じ、一時休止を経て地元北海道で新たな形で表現活動を続ける木藤玲子氏は、多才なキャリアを持つパフォーマーとして、また次世代を育成する教育者として、現在も活動を続けている。

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