札幌航空交通管制部

札幌航空交通管制部について

札幌航空交通管制部（さっぽろこうくうこうつうかんせいぶ）は、北海道札幌市東区に位置し、長年にわたり日本の空の安全を支えてきた重要な機関です。国土交通省の地方支分部局として、航空路管制業務や進入管制業務を担っていました。特に、札幌管制区管制所（Sapporo ACC）は、広大な空域における航空機の安全な航行を確保する上で、中心的な役割を果たしていました。

概要

1966年に設置された札幌航空交通管制部は、札幌飛行場に隣接する形で業務を開始しました。福岡飛行情報区（福岡FIR）のうち、東京[[航空交通管制部]]（東京ACC）より北側の空域を担当し、具体的には、岩手県・秋田県以北の東北地方および北海道の陸上部、高度33,500フィート以下の空域を管理していました。北側と西側はウラジオストクFIR、南側は東京ACC、周辺海上および上空は福岡ACCが管轄する洋上管制区と接しており、広範囲にわたる空域の管制を担っていました。

しかし、航空交通管制を取り巻く環境の変化に対応するため、空域の再編が行われることとなり、札幌航空交通管制部は2024年9月30日をもって廃止されることになりました。その業務は東京ACCに統合され、跡地は広域ターミナル管制施設（北日本ターミナルレーダー拡大）として活用されることが検討されました。しかし、広域ターミナル管制業務は新千歳空港事務所が実施することとなりました。

組織再編

2024年3月21日には、札幌ACCの上下分離および洋上分離が実施され、高高度および洋上部分は福岡ACCに移管されました。同年4月1日には「新千歳空港事務所札幌分室」が設置され、4月16日にはS31、S34セクターが廃止されました。同時に、ターミナル空域管制（白神進入管制区、日高進入管制区）が導入され、「新千歳空港事務所札幌分室」での業務が開始されました。

これらの再編を経て、2024年10月1日には、札幌ACCを廃止する政令が公布されました。同日発効のAIP（航空情報公報）において、札幌ACCが担当していた空域は東京ACCに編入され、その歴史に幕を閉じました。

担当空域（セクター）

2022年6月13日発効のAIPによると、札幌航空交通管制部は以下の3つのセクター（空域）を管理していました。これらの空域は、いずれも高度33,500フィート未満に設定されていました。

S21：渡島半島と青森県津軽地方。津軽地区の上空24,500フィートより上の空域。
S22：東北地方。津軽地区の24,500フィートより下の空域。
S30：知床半島を除く北海道全般。S21とF01にかかる空域も含む。

まとめ

札幌航空交通管制部は、長年にわたり北海道を中心とした広大な空域の安全を守り続けてきました。今回の組織再編は、航空交通管制の効率化と安全性の向上を目的としたものであり、その役割は東京ACCに引き継がれます。札幌航空交通管制部の歴史は、日本の航空管制の発展を語る上で欠かせないものであり、その貢献は永く記憶されることでしょう。

関連項目

航空路管制
航空交通管制
航空交通管理センター (ATMC)
飛行情報区 (FIR)
航空管制官

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