東京YMCA

東京YMCA (公益財団法人)

東京YMCAは、1880年に東京青年会として設立された、キリスト教の精神に基づく団体です。当初は東京基督教青年会とも呼ばれていました。1903年に財団法人となり、2011年には公益財団法人へと移行しました。日本における最初の基督教青年会であり、その活動は今日まで続いています。

概要

1880年5月、小崎弘道を会長に、井深梶之助、田村直臣、植村正久らが役員となり、東京青年会が発足しました。浅草の井生村楼を会場として活動を開始し、メンバーは20代の青年が中心でした。彼らの多くは、後に日本のキリスト教界を牽引する指導者となりました。

設立当初から超教派的な活動を重視し、日本のキリスト教界の発展を支えてきました。現在では、日本YMCA同盟として、日本全国35か所で活動が展開されています。

東京青年会の設立時、小崎弘道はYoung Men's Christian Associationを「基督教青年会」と訳しました。この訳語が、「青年」という日本語の始まりであるという説もあります。

青年会が設立された年の秋には、キリスト教界の総合雑誌の先駆けとなる『六合雑誌』を創刊しました。この雑誌は、超教派の立場からキリスト教を研究し、修養の道を説き、世の中の誤りを正し、キリスト教の真理を広く伝えることを目的としていました。

1883年、『六合雑誌』の発行は、キリスト教系の出版社である警醒社に引き継がれました。

1889年には、北米YMCAから海外派遣主事としてJ.T.スウィフトが着任し、スタッフの育成に尽力しました。スウィフトは、自身の遺産と募金をもとに1894年に、神田美土代町に東京YMCAの会館（東京キリスト教[[青年会]]会館）を建設しました。この会館は、鹿鳴館やニコライ堂などを設計したイギリス人建築家ジョサイア・コンドルによって設計されました。赤レンガ造りの壮麗な建物には、1000人収容の大講堂があり、アインシュタイン、内村鑑三、板垣退助といった著名な思想家たちが講演を行いました。

また、東京YMCAは、バスケットボールやバレーボールなど、多くのスポーツを日本に紹介し、普及に貢献したことでも知られています。東京YMCA会館の体育館には、日本初の室内温水プールが建設され、オリンピック選手の練習場や強化合宿の会場として利用されました。これにより、日本水泳界の競技レベルの向上と国際化に大きく貢献しました。

1925年には、国際YMCAからポール・ラッシュ（立教大学元教授）が派遣され、関東大震災で被災した東京と横浜のYMCA拠点の再建活動を行いました。ラッシュは、アメリカンフットボールの普及や夏の甲子園大会の復活など、日本のスポーツ振興にも大きく貢献しました。

参考文献

高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

関連項目

東京キリスト教[[青年会]]会館
山手学舎（学生寮）
野尻学荘
東京YMCA医療福祉専門学校
東京YMCA国際ホテル専門学校
東京YMCA社会体育・保育専門学校
東京YMCAデザイン研究所
ポール・ラッシュ

外部リンク

東京YMCA

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