東京中華学校

東京中華学校について

東京中華学校（とうきょうちゅうかがっこう）は、東京都千代田区に位置し、中華民国（台湾）系の外国人学校として知られています。この学校は、一条校ではなく、各種学校としての位置付けがなされており、小学部、中学部、高高中部が一体となった教育システムを持っています。2008年10月には、財団法人から学校法人に移行し、今までの教育活動をさらに強化しています。

教育の特徴

東京中華学校では、主に中華民国が指定する教科書を使用し、繁体字や注音符号を通じた中国語教育が行われています。さらに、日本語を使う授業や英会話の授業も採用しており、それぞれの言語のバランスを考慮しています。日本の小学校における教育漢字の学習が6年間で1006字なのに対し、本校の小学部では2100字も習得することが求められます。こうしたカリキュラムの中で、小学部と中学部の社会科は、日本と台湾の教科書を用いて授業を行うという特徴的なアプローチを採っています。一方、高等部には「日本史」や「世界史」が設けられていますが、「中国史」や「台湾史」といった関係する科目は現在はありません。

学校の象徴と雰囲気

学校の校庭には中華民国の国旗である「青天白日満地紅旗」が掲揚され、また国父孫文の肖像画も展示されています。東京中華学校は政治的な立場を持たないものの、正面玄関には、現職総統の馬英九が揮毫した色紙が掲げられています。これは馬英九が国民党の公認総統候補者として来日した際の贈り物とされており、学校にも一定の政治的なつながりがうかがえます。

近年、中国語の教育への需要が増加しているため、純粋な日本人学生の入学も増えているという現象が見られます。現在、小学部の生徒217人の国籍の比率は、日本国籍が147人、台湾籍が35人、中国国籍は17人となっており、帰化した生徒の割合は不明ですが、日本人の生徒が大多数を占めています。学校の理事には、著名な元プロ野球選手であった王貞治も名を連ねています。

学校の歴史

東京中華学校の起源は1929年に遡ります。当初は「東京華僑學校」として小石川区に設立されましたが、1936年に「東京華僑小學校」と改称されました。しかし、1940年代には日中戦争の影響を受け、一時的に教育活動が停止されてしまいました。その後、1946年に復校され、「東京中華學校」という名称に戻り、1947年には中学部、1951年には高等部が設立されるなど、長い歴史の中で着実に発展を遂げてきました。1984年には新しい校舎や体育館の完成、2008年には学校法人としての認可を受けるなど、現代の教育ニーズにも応える体制が整えられています。

アクセスと出身者

所在地は東京都千代田区五番町にあり、最寄り駅は四ツ谷駅や市ケ谷駅となっています。教育の成果として、多くの著名なOBも輩出しており、歌手のジュディ・オングや料理人の陳建一、棋士の張栩や謝依旻など、さまざまな分野で活躍する人々がいます。東京中華学校は、単なる教育機関ではなく、文化やアイデンティティの発信地としての役割も果たしています。

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