東郷池

東郷池：鳥取の秘境、温泉が湧く汽水湖

鳥取県東伯郡湯梨浜町に広がる東郷池（とうごういけ）は、周囲約12kmの汽水湖です。別名、東郷湖とも呼ばれ、古くから地元の人々の生活と深く関わってきた歴史ある場所です。

温泉が湧く珍しい汽水湖

東郷池の最大の特徴は、湖底から温泉が湧出している点です。これは全国的にも珍しい現象で、冬には湖面から湯気が立ち上る幻想的な光景が見られることもあります。この温泉は、湖水に独特の成分を与え、豊かな生態系を育んでいると考えられています。また、湖に流れ込む橋津川を通じて日本海と繋がり、汽水湖特有の生物が生息しています。中でもシジミの漁獲が盛んで、地元の食材として親しまれています。

歴史と文化の息づく地

東郷池は、かつては入江であったものが、砂の堆積によって海と隔てられ、潟湖になったと考えられています。北側には馬ノ山（橋津）古墳群があり、古くからこの地を治めていた豪族の存在を示しています。鎌倉時代の絵図にも東郷池の姿が描かれており、現在の景観とほぼ変わらないことがわかります。また、江戸時代までは天神川が橋津川に合流していましたが、河川改修によって現在の流れになったとされています。一説には、かつて天神川は東郷池に直接流れ込んでいたとも言われています。

周辺の観光スポット

東郷池周辺には、歴史的建造物や自然豊かな観光スポットが数多く存在します。伯耆一宮である倭文神社、羽衣石城跡などの歴史的遺構は、この地の歴史の深さを物語っています。また、東郷湖羽合臨海公園、鉢伏山、中国庭園燕趙園など、自然と触れ合える場所も充実しています。鉢伏山からは東郷池を一望できる絶景ポイントとして知られています。展望台としては、湯梨浜町宮内の出雲山展望台や同町白石の鉢伏山展望台などがおすすめです。

アクセスと周辺施設

東郷池へのアクセスは、JR山陰本線松崎駅から徒歩すぐ、または倉吉駅からバスで約10分です。車の場合は、山陰自動車道はわいインターチェンジから約5分と便利です。

湖畔には、東郷温泉、はわい温泉などの温泉施設や、燕趙園などの観光施設があります。その他、ゆアシス東郷龍鳳閣、東郷湖羽合臨海公園、あやめ池スポーツセンターなど、様々な施設が整備されており、観光客だけでなく地元住民にとっても憩いの場となっています。

東郷池の魅力

東郷池は、温泉が湧く珍しい汽水湖、歴史的な遺跡、美しい自然、そして充実した観光施設と、多くの魅力を兼ね備えています。鳥取観光の際には、ぜひ訪れていただきたい場所です。その神秘的な風景と豊かな歴史に、きっと心奪われることでしょう。

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