柴山駅

柴山駅：歴史と自然が織りなす山陰海岸の小さな駅

兵庫県美方郡香美町香住区浦上字小畑に位置する柴山駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線沿線にある、静かで風情のある駅です。近年の利用客数は、1日平均89名程度とされています（2016年度）。

駅の歴史：水産物輸送から始まった小さな駅

柴山駅の起源は、戦後の食糧難の時代まで遡ります。1946年、柴山港で水揚げされた新鮮な海産物を、京阪神地域へ効率的に輸送する必要性から、貨物専用線が敷設されました。この貨物輸送の要請に応える形で、翌1947年6月26日、柴山駅は山陰本線佐津駅と香住駅間に新設されました。当初は一般駅として開業し、地域の経済活動に大きく貢献しました。

その後、1965年には海側ホームが新設され、利用客の増加に対応しました。しかし、時代の変化と共に、1971年には貨物取扱いが廃止され、1984年には荷物扱いも廃止。さらに同年、無人駅となりました。海側ホームは2001年に閉鎖され、現在は駅舎側ホームのみが使用されています。

2018年には、長年駅舎として親しまれた木造駅舎が解体され、2020年には新しいコンクリート製の駅舎が完成しました。新しい駅舎は、コンパクトながらも機能的で、利用客の利便性を考慮した設計となっています。トイレは駅舎の外に設置されています。また、2022年の組織改正により、近畿統括本部福知山管理部の管轄となりました。

駅の構造：シンプルでコンパクトな無人駅

柴山駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。しかし、海側ホーム（1番のりば）は現在使用されておらず、駅舎側ホーム（2番のりば）のみが1面1線として運用されています。線路自体は残っていますが、分岐器が撤去されているため、列車の行き来は駅舎側のホームのみで行われています（2012年1月時点）。

無人駅であるため、自動券売機は設置されておらず、乗車券の購入には事前に購入するか、車内精算を利用する必要があります。豊岡駅が管理駅となっています。

アクセスと周辺環境：豊かな自然と海の幸に囲まれたロケーション

柴山駅は、美しい自然に囲まれた場所に位置しています。駅周辺には、新鮮な松葉蟹で知られる柴山港があり、地元の漁業と深く関わっています。特に、松葉蟹のシーズンには、特急「はまかぜ」が臨時停車することもあり、観光客でにぎわいます。

その他、駅周辺には、兵庫県道11号香美久美浜線、今子浦、今子浦海水浴場、香美町営国民宿舎「ファミリーイン今子浦」、今子千畳敷、黄金松、柴山温泉といった観光スポットが点在しています。また、駅前にある「柴山駅前」停留所からは、香美町町民バスを利用して周辺地域へのアクセスも可能です。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線
佐津駅 - 柴山駅 - 香住駅

柴山駅は、歴史と自然が調和した、山陰海岸の魅力を凝縮したような小さな駅です。のどかな風景と、新鮮な海の幸を求めて訪れる観光客に、静かな癒やしを提供しています。

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