栃木県立盲学校

栃木県立盲学校



栃木県立盲学校は、栃木県宇都宮市福岡町に位置する公立の特別支援学校で、視覚障害者を対象とした唯一の教育機関です。この学校は幼稚部から高等部専攻科まで幅広い学部を設けており、少人数ながら充実した教育を提供しています。2020年5月1日の時点で、在籍する生徒は40名であり、その中には寄宿舎での生活を送る生徒も含まれています。

対象者と設置学部


この学校は、栃木県内全域を学区とし、視覚に障害を持つ学生に特化した特別支援教育を行っています。設置された学部には、幼稚部、小学部中学部高等部高等部専攻科があります。高等部では普通科と保健理療科高等部専攻科では保健理療科理療科が用意され、生徒は自身の興味や適性に応じて選択可能です。また、高等部専攻科には入学試験があり、学力検査面接を経て入学者が選抜されます。本校では、視覚障害者の特性に配慮した支援が施され、特にリハビリテーションに力を入れています。

歴史的背景


栃木県立盲学校のルーツは、1906年宇都宮市で開設された私立の下野盲唖学校と野州盲学校にまで遡ります。これらの学校は、聴覚や視覚に障害を持つ子供たちに教育の道を開く第一歩となり、1916年には足利市にも関連学校が設立されました。1923年には特別支援学校の設置義務が法律に制定され、これを受けて栃木県は盲学校の整備を進めました。1939年には宇都宮盲唖学校と足利盲学校が統合され、栃木県立盲学校が発足しました。これにより、視覚障害者に特化した最新の教育体制が整いました。

戦後、盲学校における教育の義務化が進み、1951年には高等部に新しく理療科が設置されました。その後も学校は移転を繰り返し、最終的には現在の宇都宮市福岡町へ移りました。

教育の特徴


栃木県立盲学校では、教育の一環として「サウンドテーブルテニス」が導入されています。このスポーツは、1933年に足利盲学校の校長であった沢田正好によって考案されました。当初はリハビリテーションを目的としていましたが、次第に競技化が進み、全国大会も開催されるようになりました。このように、学校ではさまざまな能力を伸ばすためのカリキュラムが組まれています。

また、近年では防災教育にも力を入れています。特に東日本大震災以降、視覚障害者が地震時に安全に過ごすための教育が進められており、日常的に危険箇所を把握するための訓練が実施されています。

関係者と卒業生


学校出身の著名な卒業生には、日本初の全盲教授として名高い小森禎司氏や、ソウルパラリンピックのメダリストである中村弘明氏がいます。教員には、東日本盲導犬協会の設立者である鈴木彪平氏が名を連ねています。これらの人物は、視覚障害者教育や支援における重要な成果を残しており、学校の看板ともいえる存在です。

栃木県立盲学校は、多様な学びの場を通じて、視覚障害者が自立した生活を送れるよう支援を行っています。

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