桃山南口駅

桃山南口駅

桃山南口駅（ももやまみなみぐちえき）は、京都府京都市伏見区桃山町丹後に所在する、京阪電気鉄道宇治線の鉄道駅です。駅にはKH72の駅番号が付与されています。

概要

当駅は、線路の両側にホームが向かい合う相対式ホーム2面2線を有する地上駅として整備されています。宇治線の中書島方面行きと宇治方面行きの列車がそれぞれ別のホームに発着します。駅構造の大きな特徴は、改札口が上下線で完全に独立している点です。このため、一度改札を通過すると、改札内で異なるホームへ移動することはできません。

駅の改札は、宇治方面行きのホーム側（駅の東側）に主要なものが設けられており、早朝や深夜を除いて駅員が配置されています。一方、中書島方面行きのホーム側の改札口は、主に朝のラッシュ時間帯に駅員が配置される形態となっています。各ホームは最大5両編成の列車に対応できる有効長を有しています。

歴史

桃山南口駅の起源は、京阪電気鉄道宇治線が開業した1913年（大正2年）6月1日にさかのぼります。この時、駅は「御陵前駅」として開設されました。その設置目的は、翌月に桃山御陵で執り行われる予定だった「明治天皇御1年祭」への参拝客輸送に対応するためでした。

開業から間もない1914年（大正3年）9月には貨物輸送が開始され、駅に隣接していたニチボー（現在のユニチカ）の工場への貨物の積み下ろしを行う施設が設けられました。

この地域は歴史的に水害が多く、当駅も度重なる浸水被害に見舞われてきました。特に戦後、1953年（昭和28年）の台風13号や1961年（昭和36年）の第2室戸台風といった大規模な水害では、線路が浸水し、列車の運転が長期間不通となる事態が発生しました。こうした水害対策として、駅のすぐ近くを流れる山科川に沿った堤防が昭和40年代（1965年〜1974年）にかけて整備されました。

駅の経営主体も変化しました。1943年（昭和18年）10月1日には、会社合併により京阪神急行電鉄の駅となりました。戦時下の1945年（昭和20年）9月15日には、輸送混乱を回避する目的で一時的に駅の使用が中止されましたが、翌1946年（昭和21年）2月15日には営業を再開しています。駅名が現在の「桃山南口駅」に改称されたのは、再び京阪電気鉄道の駅に戻った直後の1949年（昭和24年）11月25日のことです。なお、会社分離により京阪電気鉄道の駅となったのは同年12月1日です。この頃も、1949年7月の豪雨や1953年9月の台風による浸水など、水害の影響を受けています。

駅設備の近代化も進みました。現在の上下線独立改札となる前、1981年（昭和56年）に駅舎が改築されるまでは、改札口は宇治行きホーム側のみに設置されており、中書島方面行きホームへは朝のみ設けられる臨時改札を利用する必要がありました。駅舎改築工事は1981年3月30日に竣工し、自動券売機が新設されました。また、ホーム間の移動に使われていた構内踏切は1998年（平成10年）8月5日に廃止されています。その他、1982年（昭和57年）3月にはホームに点字ブロックが設置され、視覚障害者への配慮が進みました。1992年（平成4年）3月には宇治行き駅舎が建て替えられ、トイレの水洗化も実施されました。そして、1994年（平成6年）10月には自動改札機が導入され、利便性がさらに向上しました。

利用状況

当駅は、近隣にUR桃山南団地が存在し、周辺に住宅地が広がっていることから、地域住民の通勤・通学の足として多くの利用があります。近年では、2022年度の1日平均の乗車客数（降車客を含まない）が約2,082人となっています。

駅周辺

駅周辺は、主に閑静な住宅地が形成されており、前述のUR桃山南団地をはじめとする集合住宅や一般住宅が立ち並んでいます。

隣の駅

京阪電気鉄道宇治線における当駅の隣の駅は以下の通りです。

• - 観月橋駅 (KH71) - 桃山南口駅 (KH72) - 六地蔵駅 (KH73)

関連情報

• - 日本の鉄道駅一覧
• - 改築や構造変更により、かつての一ヶ所集約改札から上下線独立改札となった駅の例として、名古屋鉄道の味美駅などが挙げられます。

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