桃山御陵前駅
近畿日本鉄道京都線に位置する桃山御陵前駅（ももやまごりょうまええき）は、京都府京都市伏見区観音寺町に所在します。駅番号はB08が付与されています。
当駅の歴史は、1928年11月3日に奈良電気鉄道の駅として幕を開けました。この日は、奈良電気鉄道が桃山御陵前駅から西大寺駅（現在の大和西大寺駅）までの区間で営業を開始した日です。そのわずか半月後の11月15日には、京都駅方面への延伸が完成し、京都と西大寺を結ぶ路線の途中駅となりました。
戦中の1945年12月21日には、京阪本線丹波橋駅へ直接連絡する線路が新たに建設され、奈良電気鉄道の全列車が京阪丹波橋駅へ乗り入れるという、画期的な相互直通運転が開始されました。これにより、それまで経由していた堀内駅（現在の近鉄丹波橋駅）側の線路は営業運転に使用されなくなり、引き上げ線として利用されることとなりました。この相互乗り入れが始まる以前は、当駅と京阪の伏見桃山駅が、両社を結ぶ連絡駅としての役割を果たしていました。特に京阪側の伏見桃山駅は、当駅開業以前から戦時中の運行中断まで急行停車駅でしたが、京阪側の事情により1949年以降は優等列車の停車はなくなっています。相互乗り入れは1968年まで続けられました。
奈良電気鉄道は1963年10月1日に近畿日本鉄道と合併したため、当駅も同社に継承されました。2007年4月1日からは、ICカードシステム「PiTaPa」の利用が可能となっています。また、2024年1月10日には、駅における係員の配置体制が変更され、これまでの終日配置から時間帯による配置へと移行しました。
当駅は高架上に設けられた駅で、相対式ホームが2面2線配置されています。ホームの有効長は6両編成分に対応しています。駅施設は、改札口とコンコースが地上1階にあり、ホームはそこから階段やエレベーターを介して上がった2階にあります。改札口は一箇所のみで、駅の南側を東西に走る主要道路、大手筋に面した場所に位置しています。
特筆すべきは、当駅が開業時から高架駅として建設されている点です。元々、京都府から桃山御陵への参道との平面交差を避けるよう要請があり、設計段階では地下線とする計画も存在しました。しかし、伏見の重要な産業である酒造業に関わる伏見酒造組合から、地下線の建設が地下水脈に悪影響を及ぼす可能性があるとして強い反対意見が出され、伏見町長名での陳情も行われました。この状況を重く見た京都府からの対策要請を受け、奈良電気鉄道側が地下計画を断念し、町内を高架で通過するルートに変更されたという経緯があります。
駅の北側には、1945年から1968年にかけて実施された京阪本線への相互乗り入れに使用されていた連絡線のごく一部の痕跡が今も残されています。1970年代頃までは、その先の築堤や道路を跨ぐためのプレートガーダー橋梁も存在していましたが、周辺の宅地開発が進んだことにより撤去されています。
当駅は京都駅の管轄下に置かれており、時間帯配置ではありますが駅員が常駐しています。改札機はPiTaPaやICOCAなどの主要なICカードに対応した自動改札機が設置されているほか、回数券カードやICカードへのチャージが可能な自動精算機も備えられています。
ホームは2階にあり、以下のように方面別に使い分けられています。
1番線: 下り 京都方面から 大和西大寺・奈良方面
2番線: 上り 大和西大寺・奈良方面から 京都方面
近年における当駅の一日平均乗降人員は、14,000人台から15,000人台で推移しています。2023年11月7日の調査では14,606人の利用がありました。これは近鉄京都線の駅の中でも比較的多い利用者数を示しています。
駅の周囲には、公共交通機関への乗り換え地点があります。駅から徒歩およそ3分の場所に位置する国道24号沿いには、京都市営バスの「御香宮前」停留所と近鉄バスの「桃山」停留所（これらは同一地点です）があります。かつては駅前に直接バス乗り場が設けられており、京阪宇治交通や近鉄バスの路線が発着していましたが、現在はその形態は変更されています。
近畿日本鉄道京都線における、当駅に隣接する駅は以下の通りです。
急行: 近鉄丹波橋駅 (B07) - 桃山御陵前駅 (B08) - 大久保駅 (B12)
準急・普通: 近鉄丹波橋駅 (B07) - 桃山御陵前駅 (B08) - 向島駅 (B09)
なお、洛南高校の体育祭が開催される日には、急行の一部列車が臨時に向島駅に停車する場合があります。駅番号は各駅名に括弧書きで併記しています。
日本の鉄道駅一覧などの項目もご参照ください。
駅に関する詳細情報は、近畿日本鉄道の公式サイト内にある「駅の情報｜桃山御陵前」ページで確認できます。
歴史
当駅の歴史は、1928年11月3日に奈良電気鉄道の駅として幕を開けました。この日は、奈良電気鉄道が桃山御陵前駅から西大寺駅（現在の大和西大寺駅）までの区間で営業を開始した日です。そのわずか半月後の11月15日には、京都駅方面への延伸が完成し、京都と西大寺を結ぶ路線の途中駅となりました。
戦中の1945年12月21日には、京阪本線丹波橋駅へ直接連絡する線路が新たに建設され、奈良電気鉄道の全列車が京阪丹波橋駅へ乗り入れるという、画期的な相互直通運転が開始されました。これにより、それまで経由していた堀内駅（現在の近鉄丹波橋駅）側の線路は営業運転に使用されなくなり、引き上げ線として利用されることとなりました。この相互乗り入れが始まる以前は、当駅と京阪の伏見桃山駅が、両社を結ぶ連絡駅としての役割を果たしていました。特に京阪側の伏見桃山駅は、当駅開業以前から戦時中の運行中断まで急行停車駅でしたが、京阪側の事情により1949年以降は優等列車の停車はなくなっています。相互乗り入れは1968年まで続けられました。
奈良電気鉄道は1963年10月1日に近畿日本鉄道と合併したため、当駅も同社に継承されました。2007年4月1日からは、ICカードシステム「PiTaPa」の利用が可能となっています。また、2024年1月10日には、駅における係員の配置体制が変更され、これまでの終日配置から時間帯による配置へと移行しました。
駅構造
当駅は高架上に設けられた駅で、相対式ホームが2面2線配置されています。ホームの有効長は6両編成分に対応しています。駅施設は、改札口とコンコースが地上1階にあり、ホームはそこから階段やエレベーターを介して上がった2階にあります。改札口は一箇所のみで、駅の南側を東西に走る主要道路、大手筋に面した場所に位置しています。
特筆すべきは、当駅が開業時から高架駅として建設されている点です。元々、京都府から桃山御陵への参道との平面交差を避けるよう要請があり、設計段階では地下線とする計画も存在しました。しかし、伏見の重要な産業である酒造業に関わる伏見酒造組合から、地下線の建設が地下水脈に悪影響を及ぼす可能性があるとして強い反対意見が出され、伏見町長名での陳情も行われました。この状況を重く見た京都府からの対策要請を受け、奈良電気鉄道側が地下計画を断念し、町内を高架で通過するルートに変更されたという経緯があります。
駅の北側には、1945年から1968年にかけて実施された京阪本線への相互乗り入れに使用されていた連絡線のごく一部の痕跡が今も残されています。1970年代頃までは、その先の築堤や道路を跨ぐためのプレートガーダー橋梁も存在していましたが、周辺の宅地開発が進んだことにより撤去されています。
当駅は京都駅の管轄下に置かれており、時間帯配置ではありますが駅員が常駐しています。改札機はPiTaPaやICOCAなどの主要なICカードに対応した自動改札機が設置されているほか、回数券カードやICカードへのチャージが可能な自動精算機も備えられています。
のりば
ホームは2階にあり、以下のように方面別に使い分けられています。
1番線: 下り 京都方面から 大和西大寺・奈良方面
2番線: 上り 大和西大寺・奈良方面から 京都方面
利用状況
近年における当駅の一日平均乗降人員は、14,000人台から15,000人台で推移しています。2023年11月7日の調査では14,606人の利用がありました。これは近鉄京都線の駅の中でも比較的多い利用者数を示しています。
駅周辺
駅の周囲には、公共交通機関への乗り換え地点があります。駅から徒歩およそ3分の場所に位置する国道24号沿いには、京都市営バスの「御香宮前」停留所と近鉄バスの「桃山」停留所（これらは同一地点です）があります。かつては駅前に直接バス乗り場が設けられており、京阪宇治交通や近鉄バスの路線が発着していましたが、現在はその形態は変更されています。
隣の駅
近畿日本鉄道京都線における、当駅に隣接する駅は以下の通りです。
急行: 近鉄丹波橋駅 (B07) - 桃山御陵前駅 (B08) - 大久保駅 (B12)
準急・普通: 近鉄丹波橋駅 (B07) - 桃山御陵前駅 (B08) - 向島駅 (B09)
なお、洛南高校の体育祭が開催される日には、急行の一部列車が臨時に向島駅に停車する場合があります。駅番号は各駅名に括弧書きで併記しています。
関連事項
日本の鉄道駅一覧などの項目もご参照ください。
駅に関する詳細情報は、近畿日本鉄道の公式サイト内にある「駅の情報｜桃山御陵前」ページで確認できます。
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