梓橋駅

梓橋駅：安曇野の玄関口、梓川を見守る駅

梓橋駅は、長野県安曇野市豊科高家に位置する、JR東日本大糸線の駅です。駅番号は38番。梓川に架かる鉄道橋からその名が付けられ、周辺地域にとって重要な交通拠点となっています。

歴史を刻む駅舎

1915年、信濃鉄道の駅として開業しました。当初は松本市駅（現在の北松本駅）と豊科駅間を結ぶ路線の一部として誕生し、旅客営業のみを展開していました。その後、信濃鉄道の国有化を経て、1957年には大糸線の一部となり、現在の姿へと変遷を遂げました。1967年には鉄道橋の架け替えに伴い、ホームの位置が変更されています。

歴史を紐解くと、1916年には南松本駅を松本駅に統合し、連絡運輸を開始。1926年には全線電化、電車化され、近代的な鉄道へと進化を遂げています。貨物輸送も盛んに行われていましたが、1978年に廃止、1984年には荷物扱いも廃止されました。1983年には業務委託駅となり、1985年には無人駅となりました。1987年には国鉄分割民営化に伴い、JR東日本へと移管されています。近年では2015年に駅舎の改築が行われ、2020年には窓口の営業時間が変更、そして2025年にはSuicaの利用開始が予定されています。

駅構造と周辺環境

梓橋駅は単式ホーム1面1線の地上駅です。かつては島式ホーム1面2線でしたが、現在では北側のホームは事業用車両の留置線となっています。駅ホームへは地下道を通ってアクセスします。これは、駅が盛土上に位置しているためです。

駅の東側には梓川が流れ、かつては駅東側の梓川に架かる鉄道橋が唯一の移動手段でした。現在でも、旧鉄橋の遺構が対岸に残されており、歴史を感じさせます。また、駅周辺には糸魚川街道（旧国道147号）、長野県内の数多くの県道が通っており、道路交通のアクセスも良好です。

大糸線では珍しく、発車ベルが設置されています。しかし、スイッチの位置の関係上、使用されるのは上り（松本方面）3両編成の列車の時のみで、車掌の判断によって使用されない場合もあります。ホームには「是より北 安曇野」の看板があり、地元住民で構成される「梓橋りんご倶楽部」が手入れするリンゴ並木も駅のシンボルとなっています。松本市西部地域コミュニティバスも乗り入れており、周辺地域へのアクセスも容易です。

利用状況と今後の展望

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は約468人です。近年は利用者数の変動が見られますが、地域住民の生活を支える重要な交通手段として、その役割を担い続けています。Suicaの導入によって、利便性が向上し、利用者数の増加も期待されます。

隣の駅

島高松駅
一日市場駅

梓橋駅は、歴史と自然に囲まれた、安曇野の魅力を凝縮した駅です。今後も地域の拠点として、発展を続けていくことでしょう。

もう一度検索