椿山荘

椿山荘（ちんざんそう）

椿山荘は東京都文京区関口に位置する美しい庭園であり、同時に豪華なホテルである椿山荘東京が併設されています。この地は、南北朝時代から椿の野生が見られる景勝地であり、その名も「つばきやま」に由来します。江戸時代には、久留里藩の黒田家の下屋敷としても知られていました。

歴史的背景

1878年、明治維新と西南戦争での功により、元勲の山縣有朋がこの土地を購入し、「椿山荘」を名付けました。その後、1918年に藤田財閥の二代目当主、藤田平太郎男爵がこの庭園を譲り受け、東京での別邸として活用するようになりました。1948年には藤田興業に所有が移り、多くの樹木が移植されるなど、さらなる発展を遂げます。

1952年からは宴会場や結婚式場としての営業が始まり、1955年には藤田観光として運営の管理が移転されました。1970年代には宿泊施設が必要だと考えられ、1978年からの再開発計画を経て、1983年には宴会棟が完成しました。また、1992年にはフォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツと提携し「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」が開業されます。

時が経つ中で、2012年末にはフォーシーズンズとの提携が終了し、2013年には「ホテル椿山荘東京」としてブランドがリニューアルされたことで、庭園、宿泊、宴会などのサービスが一体となり、多様なニーズに応える施設となりました。

庭園の見どころ

椿山荘の庭園は一般公開されており、訪れる人々は特に椿の花や桜、美しい史跡を楽しむことができます。その中でも特筆すべきは頂上にそびえる三重塔です。この塔はもともと広島県から移設されたもので、平安時代に小野篁が創建し、平清盛によって初めての修復が行われたと伝えられています。大正時代には強風により三層目が破損しましたが、藤田平太郎が修復し、1925年に移築しました。

第二次世界大戦中には空襲の影響を受けることなく、三重塔は奇跡的に保存されました。そして2003年には国の登録有形文化財として認定され、さらに2010年の工事によって塔の建立年代が再確認され、1420年頃の部材が使用されたことが明らかになりました。

交通アクセス

椿山荘へのアクセスは、東京メトロ有楽町線の護国寺駅や江戸川橋駅、JR山手線の目白駅が最寄りとなります。また、都営バスや国際興業バスが運行されており、特にホテル椿山荘東京前で下車することが可能です。さらに、成田及び羽田空港間にはリムジンバスも運行されています。

このように、椿山荘は歴史と美しさに包まれた特別な場所であり、訪れる人々にとって、贅沢なひとときを提供してくれるでしょう。

もう一度検索