横浜スカイビル

横浜スカイビルの歴史と変遷

横浜スカイビルは、神奈川県横浜市西区に位置する高層複合施設であり、横浜駅東口のランドマークとして知られています。現在のスカイビルは1996年に建て替えられた2代目であり、その歴史は戦後の横浜駅東口の復興計画にまで遡ります。

ビル建設までの経緯

1959年、崎陽軒の野並茂吉などの地元実業家によって「横浜駅前復興促進会」が設立されました。当初は「ワールドセンター構想」として、世界の名産品を販売する施設や、大規模な市民ホール、ホテルなどを備えた複合施設の建設が計画されました。しかし、この構想は具体化には至りませんでした。

1961年、横浜市会議長の津村峯男を中心に「東口対策審議会」が設立され、横浜駅東口の開発計画が再始動しました。同年には地元企業や日東商船などの出資により「横浜駅前振興株式会社」が設立され、本格的な開発が始まりました。

当初は、横浜市が策定した「横浜駅東口総合開発計画」に基づき、現在のスカイビルがある「出島地区」（みなとみらい地区68街区）と東口地下街の開発が進められました。この「出島地区」という名称は、かつてこの地域に出島があったことに由来します。

しかし、開発は順風満帆とはいきませんでした。横浜市会での権力闘争や、市長交代による計画の見直し、設計者の撤退など、幾多の困難に見舞われました。それでも、1968年3月には初代スカイビルが竣工し、同年5月には「株式会社横浜スカイビル」に商号を変更しました。しかし、竣工前に社長が急逝したため、その後の開発計画は難航することとなりました。

1978年、市長が交代したことで、横浜駅東口開発計画は新たな段階に入ります。国道下の地下街（現：横浜ポルタ）の開発は第三セクターの財団法人横浜駅東口開発公社が、出島地区の開発は横浜新都市センター株式会社が担当することになりました。なお、横浜新都市センターの設立には、横浜スカイビルも出資を行っています。

初代スカイビルの特徴

初代スカイビルは、地上11階、地下1階の本棟と低層棟からなる建物でした。特徴的だったのは、最上階に設置された2層の回転ラウンジレストラン「ヨコハマ・スカイ・ラウンジ」でした。その他にも、宴会場、結婚式場、ビアガーデン、サウナ、医療センター、文化教室など、多様な施設が入居していました。

また、革新派の飛鳥田一雄市長の要求により、低層棟には体育館や多目的ホール、ボウリング場なども設けられました。スカイ劇場では、毎週木曜日に「スカイ木曜寄席」が開かれるなど、地域文化の発信拠点としても機能していました。

しかし、横浜駅周辺の開発が不十分であったため、開業当初はアクセスが良くなく、経営は必ずしも順調ではありませんでした。1980年代には、横浜駅東口にルミネ横浜店や地下街横浜ポルタが開業すると、スカイビルの店舗の退店が相次ぎ、経営状況は悪化しました。

1982年3月には、筆頭株主がジャパンラインから三菱地所に交代し、1990年には全面建て替えが決定しました。

2代目スカイビルの建設

1996年、現在の2代目スカイビルが完成しました。高層棟と駐車場棟からなり、横浜新都市ビル（そごう横浜店）と直結しています。地下では横浜ポルタと接続しており、横浜駅からのアクセスが非常に便利です。

当初は、そごう横浜店の増床計画がありましたが、百貨店不況により計画は頓挫しました。その後、丸井（マルイシティ横浜）が出店することになり、横浜スカイビル、横浜新都市センター、横浜シティ・エア・ターミナル、三菱UFJ信託銀行の4社による共同所有となりました。

2009年には、日産自動車グローバル本社の竣工に合わせて、ペデストリアンデッキ「はまみらいウォーク」が設置され、みなとみらい地区へのアクセスが向上しました。

主な入居施設

2代目スカイビルには、以下の主要施設が入居しています。

マルイシティ横浜
横浜シティ・エア・ターミナル (YCAT)
静岡銀行横浜支店、横浜ローンセンター
静銀ティーエム証券横浜支店
スカイスパ（温浴施設）
資格の学校TAC

その他、多くの企業や飲食店も入居しています。

まとめ

横浜スカイビルは、横浜の歴史とともに歩んできた複合施設です。戦後の復興期から現在に至るまで、数々の変遷を経てきました。初代スカイビルから2代目への建て替え、そして周辺開発との連携を通じて、横浜の発展に大きく貢献してきました。

今後も、横浜スカイビルは、横浜駅東口のランドマークとして、地域社会に貢献し続けることでしょう。

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