死の翼アルバトロス

『ルパン三世 PART2』第145話「死の翼アルバトロス」は、1980年7月28日に放送された、宮崎駿監督による傑作エピソードです。 宮崎駿は「照樹務」名義で脚本と演出を担当しており、同シリーズへの不満から生まれた作品であるとされています。そのためか、放送局である日本テレビのスタッフからは、最終話「さらば愛しきルパンよ」と同様に放送を反対され、没にするという動きもあったと伝えられています。

このエピソードでは、ルパン三世、次元大介、峰不二子、石川五ェ門、銭形警部といったお馴染みのキャラクターに加え、ロンバッハ、シュミットといった個性的な敵キャラクターが登場します。山田康雄、小林清志、増山江威子、井上真樹夫、納谷悟朗といった豪華声優陣による熱演も、このエピソードの見どころの一つです。その他、ロンバッハの手下役として、長堀芳夫、山本敏之、笹岡繁蔵といったベテラン声優が参加しています。

スタッフ陣も豪華で、原作はモンキー・パンチ、企画は吉川斌、音楽は大野雄二が担当。録音は東北新社、現像は東京現像所が担当しています。制作協力は東京ムービー、制作は東京ムービー新社が担当しています。また、週刊漫画アクションとパワァ・コミックス（双葉社刊）への連載も併せて行われています。

主題歌は、オープニングが大野雄二作曲・編曲による『ルパン三世'80』、演奏はユー&エキスプロージョン・バンド。エンディングは、奈良橋陽子と杉山政美による作詞、大野雄二作曲・編曲、木村昇による歌唱の『ラヴ・イズ・エヴリシング』が使用されています。レコードはコロムビアレコードより発売されました。

このエピソードは、ファンからの支持も高く、2017年の『ルパン三世ベストセレクション』では、第1シリーズから第3シリーズまでの全228話の中からファン投票で第2位に選ばれています。また、2021年のアニメ開始50周年記念企画「みんなが選んだルパン三世」では、第5シリーズまでの全276話の中から第4位にランクインしています。これは、シリーズ全作品の中でも非常に高い人気を示す結果と言えるでしょう。

特に2021年の「金曜ロードショー」での放送では、1位に選ばれた「さらば愛しきルパンよ」と連続して放送されたため、エンディングと次回予告がカットされました。この時、レギュラー以外のキャストと各話スタッフは「金曜ロードショー」のエンディングで表示されています。

『死の翼アルバトロス』は、宮崎駿監督の独特な演出と、ルパン三世シリーズの世界観が見事に融合した、名実ともに優れたエピソードとして、多くのファンに愛され続けています。その高い評価は、様々なファン投票における高い順位からも明らかです。作品全体のクオリティの高さと、当時としては革新的な演出は、現在でも高く評価されており、多くのアニメファンにとって必見の作品となっています。 また、徳間書店から出版されている『ルパン三世 死の翼アルバトロス・さらば愛しきルパン　スタジオジブリ絵コンテ全集〈2〉第2期』には、本作の絵コンテも収録されており、制作の裏側を垣間見ることができる貴重な資料となっています。

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