水車落とし

水車落とし（すいしゃおとし）

水車落としとは、レスリングやプロレスで利用される投げ技で、別名としてダックアンダー・スープレックスが名付けられています。この技は、相手を前方から担ぎ上げて後方へ投げるように行われる特異な動作が特徴です。

概要

水車落としは、レスリングのグレコローマン・スタイルに由来する技術で、相手の体をしっかりと抱え込むことが重要です。一般的には、立っている相手の腹部に片肩を当ててから、相手を肩の上に担ぎます。相手がうつ伏せの姿勢になるように調整し、そのまま後方に倒れ込みつつ、相手をマットへと叩きつけます。この際、相手の体の支え方や掛ける姿勢には選手ごとに異なるスタイルがあります。

選手によっては、相手を抱える際に軽く添える程度のスタイルや、逆にしっかりと捕らえる形で行うこともあります。また、掴みに行く際の体勢や技を掛ける動作は多様であり、例えばその場でジャンプしながら行うアプローチや、助走を使って行う場合もあります。このバリエーションの多さが、水車落としを魅力的な技にしています。

主な使用者

水車落としは、もともとレスリングの経験を持つ選手たちによって多く用いられる技です。しかしながら、この技はフィニッシュ・ホールドとして使われることが少なく、大抵は他の技との繋ぎ技として利用されています。フィニッシュ・ホールドとしての使用例は少数ですが、サルマン・ハシミコフ選手がその代表的な存在です。彼は高く相手を持ち上げ、特有の形で後方への投げを決める技を披露し、注目を集めました。

日本においては、特に有名な使用者として、マサ斎藤や藤田和之などが挙げられます。近年では、水車落としの派生技が登場し、その派生技をフィニッシュ・ホールドとして位置付ける選手も現れています。また、レスリング界でも水車落としを取り入れる選手が増えてきたことも特筆すべき点です。

例えば、2015年の全国高等学校総合体育大会では、埼玉栄高等学校の山崎弥十朗選手がこの技を使い、勝利を収めたことで話題となりました。いわゆるプロレス技がアマレスで成功を収める一例であり、多くの観客が驚いたと伝えられています。

派生技について

水車落としにはいくつかの派生技が存在し、特に「水車落とし固め」はその後のピンフォールを狙う技です。また「垂直落下式水車落とし」では、相手を担ぎ上げた状態からそのまま後方へと倒れ込む形で相手をマットに叩き落す方式が取られ、より危険性が増しています。

その他にも、「こうもり吊り落とし」というルチャリブレのスタイルを取った技や、カズ・ハヤシ独自の技「WA4」など、さまざまなバリエーションが存在します。

さらに、水車落としの体勢から前方へ倒れ込むスパイン・バスターなども関係性のある技として位置付けられています。これらの技は、元々の水車落としを別の形へとアレンジしたものとも言えます。

まとめ

水車落としは、その技の特異性や多様性から、レスリングとプロレスの双方において大きな影響を与えてきた技として評価されています。今後も、その技術の進化や新しいスタイルの誕生が期待されることでしょう。

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