沖宮

沖宮（おきのぐう）：琉球八社の一つ

沖宮は沖縄県那覇市にある、琉球八社の一つとして知られる神社です。しかし、近代の社格制度による社格は与えられておらず、神社本庁には属していない独立した神社として位置づけられています。このことから「無格社」と称されています。また、沖宮は奥武山公園の東部に位置しており、訪れる際にはこの公園も一緒に楽しむことができます。

祭神について

沖宮にはいくつかの主要な祭神が祀られています。天受久女龍宮王御神（天照大御神）や天龍大御神、天久臣乙女王御神、熊野三神（伊弉冊尊、速玉男尊、事解男尊）がその代表です。また、明治の神仏分離以前には「沖山三所権現」として知られ、阿弥陀如来や薬師如来、十一面観音なども祭られていました。この神社は神道と仏教が融合した形態が色濃く残っていた重要な存在でした。

神代について

沖宮には御座が設けられ、様々な神々が祭られています。相殿の中央には女天神代の天受久女龍宮大御神を中心に、数名の神々が並んでいます。相殿の左右にもそれぞれ父母の神々や多くの乙女神たちが祭られており、神々の系譜が表現されています。特に相殿右には多くの乙女神が祭られており、その内容は非常に豊かです。

歴史的背景

沖宮の創建に関する詳細は不明ですが、源為朝の時代まで遡る歴史があるとされています。1730年に書かれた『琉球国由来記』では、大昔に那覇港で光が放たれる霊木が見つかり、それを祭った社寺が沖宮の始まりであるとされています。最初の位置は現在とは異なり、那覇市西部にあったのですが、1908年に現地へと移転しました。この際に建てられた社殿は1938年に国宝に指定されていたものの、沖縄戦による破壊を経て、その後復興の取り組みが行われました。特に比嘉真忠氏の指導の下で進められた復興は、沖宮の再生に大きく寄与しました。

沖宮は1961年には一時的に仮遷座しましたが、1975年に奥武山公園に移転して現在に至ります。また、2020年には神社本庁との関係を解消し、現在の形となったのです。

交通アクセス

沖宮へのアクセスは非常に便利です。沖縄都市モノレールの奥武山公園駅からの徒歩圏内に位置しているため、公共交通機関を利用すると訪れやすくなっています。また、周辺には路線バスも多く運行されており、特に11番や17番のバスが利用できます。これにより、多くの人々が沖宮を訪れやすくなっています。バス停も公園内に設けられているため、観光や散策の際にも適した立地です。

沖宮はその歴史や文化に触れることのできる貴重な場所であり、訪れることで沖縄の歴史と神話の深さを感じることができるでしょう。

もう一度検索