沖永良部バス企業団

沖永良部バス企業団について

沖永良部バス企業団は、鹿児島県大島郡知名町に本拠を置くバス事業者です。和泊町と知名町で構成される一部事務組合であり、地方公営企業法が適用される企業団として運営されています。通称「沖永良部バス」として、地域住民に親しまれています。

事業所

知名営業所: 鹿児島県大島郡知名町大字知名463
和泊営業所: 鹿児島県大島郡和泊町大字和泊3

概要

沖永良部島内を網羅する路線バスの運行を中心に、貸切バス事業も展開しています。島民の生活を支える重要な公共交通機関としての役割を担っています。

歴史

1956年5月1日、沖永良部島内の和泊町と知名町が共同で「沖永良部島一部事務組合」を設立し、一般乗合旅客自動車運送事業を開始しました。1968年4月には、現在の「沖永良部バス企業団」へと名称が変更されました。

1990年代後半から利用者の減少が深刻化し、2005年度には利用者数が約6万人強にまで落ち込み、運送収入約3482万円に対し約4868万円の赤字を計上する厳しい経営状況に陥りました。乗務員の採用見送りや経費削減策を講じるも赤字が解消されず、2006年7月24日には全路線廃止の方針が決定しました。同年7月25日までに、沿線自治体や鹿児島県に廃止の申し出を行いました。

しかし、鹿児島県と沿線自治体との協議の結果、2007年4月1日からは、廃止代替バスによる自治体主導の運行へと切り替えられました。運行は沖永良部バス企業団に委託され、運行によって生じる赤字は、沿線自治体に加え県も補填する形となりました。また、同時に1系統が廃止され、1系統が既存の路線に統合されるなど、路線の再編も行われました。

路線

2020年4月時点での主な運行路線は以下の通りです。

空港線（系統番号1）: 知名 - ガジマル辻 - 高校前 - 皆川 - 和泊 - 国頭 - 沖永良部空港
知名・国頭線（系統番号2）: 知名 - ガジマル辻 - 高校前 - 和泊 - 国頭
永嶺線（系統番号3）: 知名 （- 屋子母公民館） - 住吉 - 下城 - 新城 - 永嶺 - 内城 - 和泊
後蘭線（系統番号4）: 知名 - 住吉 - 新城 - 谷山 - 後蘭 - 内城 - 和泊
ガジマル線（系統番号5）: 和泊 - 出花 - 内城 - 赤嶺 - ガジマル辻 - 知名


この他にも、フェリーの発着に合わせて運行する予約制のデマンドバスも運行しています。このデマンドバスは、9:00から16:00の間で利用可能で、フェリー入港の1時間前までに予約が必要となります。停留所以外での乗降はできません。

和泊 - 和泊港
和泊 - 伊延港
和泊港 - 伊延港
* 知名 - 知名港（知名港フェリー発着日のみ）

車両

かつては、いすゞ自動車製の車両のみが導入されていましたが、近年ではトヨタ・ハイエースや日野・ポンチョなども使用されるようになりました。2017年7月には、元都営バスから移籍したいすゞ・エルガミオノンステップバスが導入されています。

まとめ

沖永良部バス企業団は、島の公共交通を担う重要な存在であり、路線の維持やサービスの向上に努めています。近年では車両の多様化も進み、より快適な移動手段の提供を目指しています。今後も、地域住民の生活を支える公共交通機関として、その役割を果たしていくことが期待されます。

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