河内堅上駅

河内堅上駅：歴史と自然が織りなす小さな駅

大阪府柏原市青谷にある河内堅上駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）関西本線、通称「大和路線」の駅です。駅番号はJR-Q29。1911年、青谷信号所として開業し、1927年に旅客駅として生まれ変わりました。その後、1973年に貨物取扱いを廃止し、現在に至ります。

歴史を刻む軌跡

河内堅上駅の開業は、関西本線の延伸という大きな歴史的流れの中にあります。当初は信号所として、その後信号場を経て、旅客駅への昇格という変遷を遂げました。国鉄分割民営化（1987年）を経てJR西日本の駅となり、1988年には「大和路線」の愛称が制定されました。以降、自動改札機の設置（1998年）、ICOCA対応（2003年）、駅ナンバリング導入（2018年）など、時代の流れとともに変化を続けてきました。また、運行管理システムの導入（2009年）なども、駅の近代化に貢献しています。

駅の構造と現状

河内堅上駅は、相対式ホーム2面2線の地上駅です。分岐器や絶対信号機がないため、停留所に分類されます。ホームは6両編成に対応しています。駅舎は王寺方面行きホーム側にあり、反対側の天王寺方面行きホームへは跨線橋で連絡しています。トイレは汲み取り式です。八尾駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託する業務委託駅ですが、早朝・夜間は無人となります。駅舎内には窓口と簡易型自動改札機があり、ICOCAなどのICカード乗車券が利用可能です。

利用状況と周辺環境

河内堅上駅の利用客数は大和路線の中で最少です。2022年度の一日平均乗車人員は285人です。これは、駅周辺が大阪府と奈良県の県境に位置する山間部であるという地理的要因が影響していると考えられます。

駅周辺は自然豊かで、下りホーム沿いの土手には桜が植えられており、開花時期には夜間のライトアップも行われます。かつては、大和川対岸にあった砕石工場と駅を結ぶベルトコンベアや関連施設が存在していましたが、現在は撤去されています。コンベアの支柱コンクリートなどの遺構は、地域の変遷を物語る歴史的痕跡でした。

隣の駅

河内堅上駅に隣接する駅は以下の通りです。大和路快速、直通快速、快速、区間快速は通過します。

三郷駅 (JR-Q30)
高井田駅 (JR-Q28)

なお、関西本線の歴史を振り返ると、三郷駅と河内堅上駅の間には、かつて稲葉山仮停車場と亀瀬仮停車場が存在していました。これは、路線延伸時の暫定的な終着駅として使用されていました。

まとめ

河内堅上駅は、歴史と自然豊かな環境の中に佇む小さな駅です。利用客数は少ないものの、地域住民にとって重要な交通拠点であり、春の桜のライトアップは、訪れる人々に季節の美しさを感じさせます。小さな駅ですが、その歴史と周辺環境の散策は、旅の思い出を豊かにしてくれることでしょう。

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