油島駅

油島駅（ゆしまえき）

油島駅は、岩手県一関市花泉町油島字蒲ノ脇に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）東北本線の駅です。岩手県南部の宮城県との県境に近い位置にあり、この駅から北へ向かう区間は、JR東日本盛岡支社の管轄となります。

歴史

当駅の起源は古く、太平洋戦争中の1944年（昭和19年）2月1日に、当時の鉄道総局が列車交換や待避のために設置した「油島信号場」として開設されたことに始まります。

信号場としての運用期間を経て、10年後の1954年（昭和29年）7月1日には、旅客や貨物を取り扱うことができる「油島駅」へと昇格しました。これにより、地域住民の利用が可能となりました。

しかし、利用状況の変化に伴い、1971年（昭和46年）8月15日には、駅での荷物取り扱いが廃止されると同時に、駅員が配置されない無人駅となりました。

その後、国鉄の民営化という大きな転換期を迎え、1987年（昭和62年）4月1日からは、JR東日本の駅として新たなスタートを切りました。

無人駅化から長い年月が経過した1998年（平成10年）1月23日には、駅舎が改築され、現在のログハウス調の温かみのあるデザインの建物に生まれ変わっています。

2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災では、残念ながら盛土上に設けられたホームの一部が損壊する被害を受けましたが、その後の迅速な補修工事により、駅機能は回復しています。

近年では、テクノロジーの進化に対応し、2024年（令和6年）10月1日からは、JR東日本が提供する便利なチケットレス乗車サービス「えきねっとQチケ」の取り扱いが開始され、利用者の利便性向上が図られています。

駅構造

油島駅は、地上に線路とホームが設置された地上駅です。駅の構造は、相対式ホームが線路を挟んで向かい合う形で2面2線を有しています。それぞれのホーム間は、安全に移動できるよう跨線橋によって連絡されています。

駅舎は、下り列車が停車する側のホームに隣接して建てられています。木造平屋建てで、特徴的なログハウス風の外観は、駅を訪れる人々の目を引きます。

現在、油島駅は無人駅として運用されており、JR一ノ関駅が管理を担当しています。駅舎内には、乗車した駅を証明するための乗車駅証明書発行機が設置されています。なお、駅のホームには、案内上の「1番線」「2番線」といった具体的な番線番号は設定されていません。

駅周辺

駅の周囲には、宮城県と岩手県を結ぶ主要地方道である宮城県道・岩手県道183号若柳花泉線が通じています。また、駅の比較的近くには「倉元製作所花泉工場」などの事業所も立地しており、地域の生活や産業に根差した環境となっています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）■東北本線

石越駅 - 油島駅 - 花泉駅

油島駅は、静かな環境の中にありながら、地域住民の通勤・通学や移動を支える重要な役割を果たしています。

もう一度検索