波打際のむろみさん

概要

『波打際のむろみさん』は、名島啓二氏による人気漫画作品です。2009年に『週刊少年マガジン』で連載が開始され、個性的なキャラクターと笑えるストーリーで人気を博しました。博多弁を話す人魚・むろみと、彼女を釣り上げてしまう高校生の向島拓朗を中心に、人と人魚、そして様々な生き物たちが織りなすドタバタコメディです。世相を反映したネタや時事ネタも盛り込まれており、幅広い世代が楽しめる作品となっています。当初は短期連載の予定でしたが、予想をはるかに超える人気のため、連載が継続されました。

あらすじ

主人公の向島拓朗は、ある日釣りをしていると人魚であるむろみを釣り上げてしまいます。戸惑いながらも、拓朗はむろみと友達になり、不思議な日常が始まります。やがてむろみの仲間である人魚や、未確認生物、神話に登場する生き物、さらには宇宙人や不老不死の人間までが拓朗の周りを取り巻き、予測不能で賑やかな物語が展開していきます。

主な登場人物

むろみ: 博多弁を話す人魚。明るく豪快な性格で、陸での生活にも完全に適応しています。人魚の中では珍しく陸での活動が多く、尾びれはすり減って小さくなっていますが、気にせずスケボーで移動したり、コンビニでビールを買ったりと自由奔放に生活しています。拓朗に好意を抱いていますが、なかなか想いは伝わりません。
向島拓朗: むろみを釣り上げた高校生。冷静沈着な性格で、むろみの奇行にも動じません。釣り好きで、人魚や未確認生物と関わる機会も多いです。むろみへの想いを抱きながらも、なかなか素直になれません。
ひいちゃん: むろみの妹分的な人魚。むろみ同様、博多弁を話します。博愛主義で、海洋生物たちから人気があります。
隅田さん: むろみの友達の人魚。むろみと同様に酒好きで、よく一緒に酔っ払っています。恋愛に積極的ですが、なかなか実りません。
富士さん: 隅田さんの友達の人魚。巨乳が特徴で、当初はむろみに絡む高飛車キャラでしたが、物語が進むにつれて変化していきます。
ミズーリさん: 海洋生物を治療する医師として活躍する人魚。正義感の強い性格で、環境保護に力を入れています。
瀬戸内三連星: 瀬戸内海を拠点に活動する人魚たちのグループ。クジラやサメを狩るハンターです。
ガンジスさん: ガンジス川に留まってパワーを送っていた人魚。ミイラ状態から復活します。
大西洋聖歌隊: 歌うことで低気圧を発生させる人魚たちのグループ。太平洋の海水温上昇を防ぐために活動しています。
大湊さん: 歌うことで海を凪にする特殊能力を持つ人魚。人見知りで方向音痴です。
魚釣さん: 沖縄近辺でBARを経営している人魚。沖縄弁を話します。
乙姫: 拓朗が通う釣具店の店員。実は大昔に不老不死となった人間で、職を転々としています。
島原誠一郎: 鮎釣り名人。むろみとは戦時中に知り合いました。
シエル: マレーシアに住む少女。むろみと友達になります。
大橋達人: 拓朗のクラスメイト。聖☆ピスタチオ学園からのゲストキャラクターです。
高宮: 拓朗のクラスメイト。大橋に好意を抱いています。
若菜ちえり: 聖☆ピスタチオ学園からのゲストキャラクターです。
黒柳先生: 聖☆ピスタチオ学園からのゲストキャラクターです。
リヴァイアさん: むろみの先輩。伝説の海竜です。
川端くん: むろみの知り合いの河童。
宝満さん: 山奥に住むツチノコ。
イエティ: 雪男。むろみの友達です。
ワイズマン: 地球に漂着した異星人。
クラーケン: 巨大な海の怪物。
サイクロプス: イェティの師匠。
ハーピー: ギリシャ神話に登場する怪鳥。
ヤタガラス: 日本神話に登場する伝説上の烏。
バジリスク: ヨーロッパに伝わる怪鳥。
鳳凰: 中国神話に登場する霊鳥。
サンダーバード: ネイティヴアメリカンに伝わる神鳥。
キンナラ: インド神話に登場する音楽の神。
リュウグウノツカイ: 竜宮城で働いていた深海魚。
魚竜: むろみの元彼。
フレミィ: 『ちきゅう観測隊!』からのゲストキャラクター。

アニメ化

2013年にはTVアニメが放送され、多くのファンを魅了しました。アニメの制作はタツノコプロが担当し、独特の世界観がアニメーションで表現されました。

その他

単行本は全11巻で、2020年には続編『波打際のむろみさん地元版』も発売されています。また、Webラジオも配信され、作品の世界観をさらに深く楽しむことができました。

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