イエティ

イエティとは

イエティ、あるいは雪男や雪人と呼ばれる未確認動物（UMA）は、ヒマラヤ山脈の奥深くに生息すると言われています。この生物は全身が毛に覆われ、二足歩行を行うとされています。イエティにはテューティ（大）、ミティ（中）、テルマー（小）など複数の種類があり、これらの種は互いに関連していると考えられています。

名前の由来

「イエティ」という言葉は、シェルパ族の言葉に由来し、岩を意味する「Yah」と動物を意味する「Teh」を組み合わせたとされます。地元の伝承ではイエティの存在が語られてきましたが、1887年にイギリスのウォーデル大佐がその足跡を発見したことで、イエティは世界の注目を浴びるようになりました。

各国での呼び名

イエティに関する物語や呼称は地域によって異なります。例えば、ブータンでは「メギュ」、チベットでは「テモ」と呼ばれます。また、インドのシッキムでは「グレットム」との名前でも知られています。ブータンでは、特に体長約1メートルの二足歩行生物「ミルゴン」と混同されることがしばしばあります。

目撃情報と探査

イエティの目撃情報は数多く、特に1954年以降、デイリー・メール紙を起点に海外の探査隊が続々と派遣されています。日本では1959年に東京大学医学部の教授が中心となり、「日本雪男研究グループ」が結成され、エベレスト周辺に探検隊が派遣されました。

現地では、イエティに似た生物として、ズーティ（「ゾほどの熊」）やミィティ（「人ほどの熊」）なども報告されています。シェルパ族によれば、ミティは人を食べ、チュティは動物をターゲットにするなど、それぞれに特徴があるとされています。

イエティの特徴

あるシェルパの目撃情報によると、イエティは直立歩行をし、体格は150～165cmほどで、毛は赤褐色または灰褐色で覆われています。顔には毛がなく、大きな口と尖った耳を持つとされています。イエティは急いでいる時には四足歩行を行うこともあり、その足の大きさや尾がないことが特徴的です。

神話と信仰

イエティは現地の神話や信仰において重要な存在です。伝説によれば、イエティを見ると病気になると信じられており、また、見えない存在ではあるものの、高徳な僧侶となら会話できるとも言われています。イエティの起源にまつわる話も多く、ある村では「妊娠したイエティが生き残り、子孫がイエティである」との伝承が残っています。

正体についての仮説

多くの説がイエティの正体を巡って展開されています。ヒグマやラングール、未知の巨大類人猿説などが挙げられていますが、最も有力なのはヒグマ説です。実際、イエティと思われる足跡や毛皮がヒグマのものであることが確認されています。また、研究者による調査でも、イエティの鳴き声はユキヒョウに似ているとされるなど、多くの証拠がヒグマに結びつけられています。

このように、イエティは伝説と現実が交錯する謎の生物であり、未だにその正体を巡る議論は続いています。人々の関心を惹き続けるイエティは、ヒマラヤの象徴とも言える存在なのです。

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