津島ノ宮駅

津島ノ宮駅：年に二日だけ開く、幻の駅

津島ノ宮駅（つしまのみやえき）は、香川県三豊市三野町大見に位置する、四国旅客鉄道（JR四国）予讃線の臨時駅です。この駅の最大の特徴は、年にたった2日間しか営業しないという点です。その営業日は、毎年8月4日と5日の二日間で、津嶋神社（つしまじんじゃ）の夏季大祭に合わせて特別に開設されます。

日本一営業日数の少ない駅

長期休止中の駅を除くと、津島ノ宮駅は日本で最も営業日数が少ない駅として知られています。その希少性から、鉄道ファンだけでなく多くの人々が訪れます。普段は静かな無人駅ですが、この2日間だけは多くの観光客や地元の人々で賑わいを見せます。

歴史

津島ノ宮駅は、1915年（大正4年）5月7日に津島ノ宮仮乗降場として開設されました。その後、1969年（昭和44年）10月1日に臨時駅となり、1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR四国の駅となりました。2013年と2015年には、予讃線開通100周年記念イベントや駅の開業100周年記念イベントで、夏季大祭以外にも臨時営業が行われました。

2020年と2021年には、新型コロナウイルス感染症の影響で津嶋神社の夏季大祭が中止となり、駅も開設されませんでした。しかし、2022年には3年ぶりに夏季大祭が開催され、駅も再開されました。

駅の構造

津島ノ宮駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅で、カーブの途中にホームが設置されています。ホームと車両の間には隙間があるため、営業日には駅員が配置され、特に子供の乗降を補助します。

駅舎は木造で、開業100周年を記念して駅名標が新調されました。そのデザインには、「日本一営業日が短い駅」という文字と、駅舎や電車、そして津嶋神社が描かれています。ただし、交通系ICカードには対応していません。

利用状況

この駅の利用者は、主に夏季大祭の期間中に集中します。例えば、2012年度には2日間で1752人が利用し、単純計算で1日平均876人となります。また、2017年度には年間で6296人、1日平均3148人が利用したというデータがあります。ただし、これはあくまで2日間の利用者を年間で割った数字であるため、実際の利用は夏季大祭の2日間のみに集中します。

営業時間

営業時間は毎年異なりますが、2011年までは8月4日が7時頃から23時頃まで、5日が8時頃から15時30分頃まででした。しかし、2012年以降は短縮され、2022年では8月4日が8時から21時まで、5日が8時から15時30分頃までとなっています。

駅周辺

駅のすぐそばには、津嶋神社があります。本殿は海に浮かぶ津島（かつては鼠島と呼ばれた）に建てられており、夏季大祭の期間中は多くの参拝客で賑わいます。駅周辺には、香川県道21号丸亀詫間豊浜線や香川県道221号宮尾高瀬線が通っており、三豊市コミュニティバスの停留所もあります。

隣の駅

津島ノ宮駅の隣には、予讃線の海岸寺駅（Y13）と詫間駅（Y14）があります。

特徴的な駅として

津島ノ宮駅のように、特定の時期にのみ開設される駅や停留所は他にも存在します。例えば、一ノ堰六地蔵尊駅もかつては年に2日間のみ開設されていましたが、現在は開設されていません。また、京橋停留場も年に2日間のみ開設される電停です。これらの駅や停留所と同様に、津島ノ宮駅もその希少性と特別な運営形態から、鉄道ファンや地域住民に愛されています。

年にたった二日だけ開く幻の駅、津島ノ宮駅。この特別な駅を訪れて、その歴史と風景、そして賑わいを体験してみてはいかがでしょうか。

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