玉海

『玉海』について

『玉海』（ぎょくかい）は、南宋の王応麟によって編纂された、全200巻から成る類書の一種です。この文献は、主に科挙試験を受ける者に向けて書かれたものであり、その目的は試験勉強をサポートすることにあります。特にその中には、過去の書籍や資料が多く引用されており、宋代の実録と呼ばれる現在では失われた情報源をも含んでいるため、資料としての価値が非常に高いとされています。

『玉海』は元代の至元6年（1340年）に初めて刊行されましたが、南宋時代には出版されませんでした。この本には、『玉海』自体の他に、王応麟による他の著作がいくつか含まれています。具体的には、『詞学指南』という4巻の著作および、合計で13種類の書籍からなる61巻の作品が収録されており、王応麟の学問の多様性を示すものとなっています。その後も、この重要な文献は至正12年（1352年）に再刻版が出され、さらに明・清の時代にも数回にわたり修補や再版が行われました。

日本においても『玉海』は注目されており、東京大学東洋文化研究所と国立国会図書館において初版の本が所蔵されています。学術的な価値を持つこの文献は、当時の文化や官僚制度についての貴重な情報源となっています。

構成

『玉海』の内容は多岐にわたっており、具体的な構成は以下のようになっています。全200巻に及ぶ文献であるため、細かい内容まで把握するのは難しいですが、主に儒教に関する理論や教え、試験対象となる知識が網羅されています。特に科挙に必要な文学や歴史、哲学に関する内容が中心で、新たな知識を得るための豊富な情報が詰まっています。

脚注

この文献の編纂にあたっては、当時の様々な書籍が参考にされており、特に宋代の文献からの引用が重要な役割を果たしています。これにより、歴史的背景を知るための資料としても活用されるため、現代においても多くの研究者によって引用されています。

外部リンク

国立国会図書館デジタルコレクションにて、詳細な情報を得ることができます。例えば、『玉海204巻』の附刻13種類は、ここで閲覧可能です。これらの資料を通して、王応麟の学問や当時の文化についてさらに深く理解することができるでしょう。

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