瑞鳳殿

瑞鳳殿と経ヶ峯伊達家墓所：仙台藩主の眠る地

仙台市青葉区霊屋下にある瑞鳳殿は、仙台藩初代藩主・伊達政宗の霊廟です。広瀬川の蛇行部を挟んで仙台城跡と対峙する経ヶ峯という、歴史と自然に恵まれた場所に位置しています。

瑞鳳殿：壮麗な霊廟

伊達政宗は、生前、初夏のホトトギスの鳴き声を聞いて亡くなりたいと望み、その遺言通り、経ヶ峯に葬られました。1637年（寛永14年）、二代藩主・伊達忠宗によって建立された瑞鳳殿は、本殿、拝殿、唐門、御供所、涅槃門からなる壮麗な建物でした。桃山文化の粋を凝らした華麗な建築様式は、多くの人の心を捉えてきました。しかし、第二次世界大戦末期の空襲によって焼失。戦後の1979年（昭和54年）、当時の姿に復元されました。本殿の両脇には、政宗に殉じた家臣たちの宝篋印塔が15基並び、その忠義を今に伝えています。

経ヶ峯伊達家墓所：伊達氏の歴史を刻む

瑞鳳殿周辺は、伊達氏ゆかりの霊廟が集まる「経ヶ峯伊達家墓所」として、仙台市指定史跡となっています。

感仙殿: 二代藩主・伊達忠宗の霊廟。瑞鳳殿と同様に、殉死した家臣の宝篋印塔が並んでいます。
善応殿: 三代藩主・伊達綱宗の霊廟。殉死が禁止されていたため、家臣14名が弔いの儀式を行いました。
妙雲界廟: 九代藩主・伊達周宗、十一代藩主・伊達斉義とその妻・芝姫の墓。
御子様御廟: 五代藩主・伊達吉村以降の夭折した藩主の子女の墓。
瑞鳳殿資料館: 瑞鳳殿の付属施設だった御供所を再建した資料館。伊達家や瑞鳳殿に関する資料を展示しています。
弔魂碑: 戊辰戦争で亡くなった仙台藩士1260名を慰霊する碑。

これらの霊廟や付属施設は、瑞鳳殿と共に、伊達氏の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。

歴史と再建

瑞鳳殿は、国宝に指定された後、空襲で焼失しましたが、戦後の復興の中で、市民の強い願いと努力によって再建されました。再建にあたっては、発掘調査が行われ、政宗の遺骨や副葬品なども発見されています。1987年（昭和62年）のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』放送による「政宗ブーム」は、瑞鳳殿への観光客増加にも繋がりました。

アクセスと情報

瑞鳳殿へは、路線バスやるーぷる仙台を利用できます。また、無料駐車場も完備されています。表参道と裏参道の2つのルートがあり、表参道ルートは瑞鳳寺や天龍閣を経由する歴史的な道です。

瑞鳳殿は、単なる霊廟ではなく、伊達政宗や伊達氏の歴史、そして仙台の文化を深く理解するための重要な場所となっています。仙台を訪れる際は、ぜひ足を運んで、その歴史と文化に触れてみてください。

もう一度検索