白身魚のフライ

白身魚のフライ：弁当の定番からグローバルフードまで

白身魚のフライは、白身魚を衣で揚げた料理です。弁当のおかずとして馴染み深い一方、その歴史や製造工程、そして世界各国でのバリエーションは意外と知られていません。本稿では、白身魚のフライについて詳細に解説します。

日本における白身魚のフライ

日本では、1970年代に日本水産が発売した冷凍[[食品]]「ホワイトフィッシュ」が白身魚のフライの始まりと言われています。特定の魚種を名乗らない、紡錘形のフライが弁当などによく用いられるようになりました。これは、安価で大量生産が可能なため、多くの食品メーカーが採用した結果です。

使用される魚種は多岐に渡り、ホキ、メルルーサ、スケトウダラ、タラ、スズキ、オヒョウなどが挙げられます。近年では、アメリカナマズ、ナイルパーチ、ブルーホワイティング、バサ（ベトナム産養殖ナマズ）なども使用されています。これらの魚は、骨抜き処理がされており、大きさも均一に調整されていることが特徴です。

1990年代後半からは、中国の山東省を中心とした工場で加工、冷凍されたものが多く輸入されるようになりました。人件費の安さを背景に、現在でも多くの白身魚のフライは中国やベトナムで製造されています。2000年代には規格化が進み、10g単位でのロット管理が一般的になっています。安価な製品では衣が身よりも厚い傾向があります。

イギリスのフィッシュフィンガー

イギリスでは、1955年にタラなどの白身魚を長方形に加工した「フィッシュフィンガー」が発売されました。これは、白身魚のフライとは異なる形態ですが、同様の素材と調理法を用いた製品です。1960年代にはヨーロッパ各国にも広がりを見せました。フィレオフィッシュのような、同様の素材を使った製品も存在します。

白身魚のフライに使われる魚

白身魚のフライに使用される魚は、その入手可能性や価格、そして加工のしやすさによって選ばれます。代表的な魚種を挙げると、

ホキ: ニュージーランドやチリで漁獲される白身魚。淡白な味わいが特徴。
メルルーサ: 南米沖で漁獲される白身魚。ホキと同様に淡白な味わい。
スケトウダラ: 北太平洋で漁獲されるタラの一種。比較的安価で入手しやすい。
タラ: さまざまな種類があり、白身魚のフライにも広く用いられる。
スズキ: 日本でも広く消費されている魚。白身で上品な味わい。
オヒョウ: カレイの仲間で、白身で柔らかな食感。
アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ): 養殖が盛んで、安価に入手できる。
ナイルパーチ: アフリカで養殖される大型の淡水魚。
ブルーホワイティング: 北大西洋で漁獲される白身魚。
バサ: ベトナムで養殖されるナマズの一種。「パンガシウス」という名称でも流通している。

などがあります。これらの魚は、冷凍された状態で輸入されることが多く、加工工場でフライに加工されます。

まとめ

白身魚のフライは、手軽で安価な食品として、世界中で消費されています。その歴史や製造工程、そして使用される魚種は多様であり、グローバルな食文化の一端を垣間見ることができる食品と言えるでしょう。日本の弁当文化においては欠かせない存在であり、今後もその地位を維持していくと考えられます。

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