百度

百度とは

百度（Baidu）は、中国に本社を置く最大の検索エンジン提供企業で、2000年に創業されました。主に、検索サービスだけでなく、百度百科やや画像・動画の検索、クラウドサービス、AI技術の開発など様々なサービスを展開しています。特に中国内ではGoogleが利用できないため、百度は圧倒的なシェアを誇ります。2020年12月時点でのアレクサランキングでは、世界4位、中国国内2位の評価を得ています。

沿革

百度の創設者である李彦宏は、北京大学を卒業後、アメリカを経て、2000年に百度を設立しました。設立以来、急速に成長し、2005年にはNASDAQに上場を果たし、その初日には株価が公募価格から約354％も上昇しました。2006年には日本法人を設立し、日本語版検索サービスの提供を開始しました。

設立からの目覚ましい成長を続け、2007年には時価総額が118億ドルに達しました。また、2008年には検索機能の多様化の一環として、画像検索や動画検索の機能を強化しました。しかし、同年には中国政府の検閲問題や広告不正に関する批判も受けました。

技術革新とAIの進展

百度は、2014年にアンドリュー・ングをチーフサイエンティストとして迎え、AI技術の開発を強化しました。2015年には、自社開発のAIが国際的な音声認識能力コンテストで高い評価を得ましたが、一部ルール違反が原因で出場停止処分を受けました。

さらに、2017年には自動運転車開発のための「アポロ計画」を設立し、世界中の大手企業と連携して自動運転技術を実現する試みを推進しています。これにより、2018年には世界初の高度自動運転バスが量産されるなど、技術面での革新を次々と実現しています。

提供するサービス

百度は現在、約35種のサービスを中国国内で提供しています。代表的なものに、以下があります。

• - 百度（Baidu Search）：基幹検索エンジン
• - 百度百科：オンライン百科事典
• - 百度云（Baidu Cloud）：クラウドストレージサービス
• - 百度贴吧：コミュニティプラットフォーム
• - 好看视频（Haokan）：ショートビデオプラットフォーム

特にMP3や他の音声・動画ファイルの検索機能は、多くのユーザーに利用されています。また、2006年からは百度百科の提供を開始し、一般的な情報の検索にも対応しています。

日本での活動

日本では、2006年末にバイドゥ株式会社を設立し、日本語版検索サービスを開始しましたが、2015年にはこのサービスを終了しました。SimejiやBaidu IMEなど、日本向けの日本語入力システムも提供しています。しかし、一部のサービスにおいてはクローリングによる過剰な負荷や、有害コンテンツの扱いについて問題が指摘されました。

中国国内外の諸問題

百度はその人気とともに、いくつかの問題にも直面しています。特に、著作権問題に関しては多数の訴訟を抱えることがあり、音楽業界に対する対応を強化しています。

加えて、日本においては無断でのデータ送信が問題視され、とりわけ日本語入力ソフトに関連するプライバシーの問題が報じられました。

こうした状況もあり、オンラインサービスの透明性やユーザーのプライバシー保護についての質問が高まりつつあります。

結論

百度は、その多岐にわたるサービス提供を通じて、中国国内外で影響力を持つ企業に成長しました。技術革新と業界の発展に寄与しつつも、様々な課題にも直面していることは間違いありません。

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