目結紋

目結紋（めゆいもん）

目結紋は、染め模様の一種である鹿の子絞りの文様をデザイン化した家紋です。その起源は古く、特に宇多源氏佐々木氏族、いわゆる近江源氏によって広く使用されたことが知られています。

概要

『寛政重修諸家譜』によれば、目結紋を使用する幕臣百十数家のうち、77家が佐々木氏族を自称していました。この事実は、目結紋が佐々木氏族にとって非常に重要な家紋であったことを示唆しています。

佐々木哲氏の研究によれば、現在の沙沙貴神社の神紋が「平四つ目」であるのは、1843年（天保14年）に丸亀藩主京極家によって再建された際、京極家の家紋である「平四つ目」に変更されたためであるとされています。これは、家紋が時の権力や影響力によって変化することがあるという興味深い事例です。

使用例

日本家紋研究会の調査によると、「隅立て四つ目」や「丸に隅立て四つ目」の目結紋の使用例が最も多いとされています。これらの紋は、佐々木氏族の間で特に好まれたと考えられます。

室町時代に成立した『見聞諸家紋』には、9家が目結紋を使用している記録があります。具体的には、飯田氏と二松氏が「三つ目」、佐々木氏、椎屋氏、竹腰氏が「四つ目」、斉藤氏と本庄氏が「九つ目」を使用していたと記されています。また、能勢氏は「十二目結」、本間氏は「十六目結」、武藤氏は「寄懸目結」という独特な目結紋を使用していたことがわかります。

佐々木氏族の中でも、六角氏は「隅立て四つ目」、京極氏は「平四つ目」、近江寺村氏は「丸に隅立て四つ目」を使用しており、同じ氏族内でも様々な種類の目結紋が存在していたことがわかります。

このように、目結紋は多様な形状を持ち、各家によって細部に独自の工夫が凝らされていました。その種類や由来を調べることは、日本の家紋文化の奥深さを知る上で非常に興味深いテーマと言えるでしょう。

目結紋は単なる模様ではなく、各家の歴史や связи、そして美意識を象徴するものであり、日本の文化遺産として大切にされるべきものです。

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