沙沙貴神社

沙沙貴神社の紹介

滋賀県近江八幡市安土町常楽寺に位置する沙沙貴神社（ささきじんじゃ）は、古くからの歴史を有する神社で、式内社としての位置付けを持ちます。この神社は、計四座五柱の神々を祀り、これらは「佐佐木大明神」と総称されています。特に、近江源氏における氏神としても知られ、伝説においては佐々木姓の発祥地としても位置づけられています。

神社の歴史

沙沙貴神社の源流は神代に遡ります。伝説によれば、少彦名神は「ササゲ」という豆のサヤに乗って海を渡り、この地に降り立ったと言われています。これが「ササキ」という地名の由来であり、少彦名神が当地に祀られたことが、この神社の起源とされています。また、古代には沙沙貴山君が大彦命を祀り、大規模な社殿が建てられたという記録も残っています。

平安時代には近江国蒲生郡の式内社として重要な役割を担っていました。宇多源氏の源成頼がこの地に土着し、彼の孫である佐々木経方が佐々木氏と名乗り、元々の沙沙貴山君の子孫である沙沙貴氏と融合していきます。この流れの中で、敦実親王やその父・宇多天皇も新たに合祀され、後に当社は宇多源氏と近江源氏との密接な関係を築いていくことになります。

戦国時代には地域を治めていた佐々木氏の嫡流である六角氏が織田信長により追放され、その後安土城が近くに築城されますが、沙沙貴神社は破壊されることなく存続しました。江戸時代の天保年間に火災に見舞われましたが、1848年に丸亀藩主の京極高朗によって重要な建物が再建され、平安時代や鎌倉時代の建築様式が取り入れられました。これらの再建された建物は現在、滋賀県指定の有形文化財となっています。

明治時代以降、当社は県社に位置付けられ、多くの信仰を集めてきました。特に、婆沙羅大名として知られる佐々木道誉や、信長に真っ向から反抗した六角義賢など、様々な歴史的な人物と関係を持っており、宇多源氏佐々木氏の末裔たちは今も当社に深い信仰心を抱いています。

祭神と境内の特徴

沙沙貴神社では、「佐佐木大明神」として少彦名命を中心に、大彦命、仁徳天皇、宇多天皇、敦実親王などが祀られています。これにより、地域の守り神としての役割も果たしています。

境内には再建された本殿や拝殿、権殿が点在し、これらの建造物は全て滋賀県指定の有形文化財です。特に、本殿は1848年の再建によるもので、建築様式が五間社流造になっており、歴史的価値も高いものとされています。主な建物の他にも、境内には中門や透塀、絵馬殿などがあり、訪れる人々にゆったりとした空間を提供しています。

また、近年では年中行事として近江源氏祭が開催され、地域の人々と共に神社を盛り上げる活動も行われています。

アクセス

沙沙貴神社へのアクセスは、JR東海道本線の安土駅から徒歩約10分、または同駅及び近江八幡駅から運行されているあかこんバスでの便があります。自然豊かな環境の中で、訪れる人々に静寂と癒しを与えるこの神社は、歴史好きのみならず、広く信仰を集めています。

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