真夜中は純潔

真夜中は純潔

「真夜中は純潔」は、日本のシンガーソングライター椎名林檎が2001年3月28日に発表した7枚目のシングルです。このシングルは、東芝EMI（現：ユニバーサルミュージック）からリリースされ、表題曲「真夜中は純潔」に加え、カップリング曲として「シドと白昼夢」と「愛妻家の朝食」が収録されています。また、シングルに先駆け、アナログ盤が3月16日に先行発売されました。

概要

このシングルは、椎名林檎がデビュー以来タッグを組んできたアレンジャー兼ベーシストの亀田誠治から離れ、初めて制作された作品です。表題曲「真夜中は純潔」は、東京スカパラダイスオーケストラが編曲を担当しており、それまでの椎名林檎の音楽性とは異なる新たな一面を見せています。カップリング曲には、デビューアルバム『無罪モラトリアム』に収録された「シドと白昼夢」を服部隆之が別アレンジで再録音したバージョンと、森俊之が編曲を担当した「愛妻家の朝食」が収録されています。

収録曲は、「夜・昼・朝」という時間軸に沿って並べられており、タイトルには全てカタカナでルビが振られています。また、各楽曲はそれぞれ異なる演奏グループによって演奏され、東京スカパラダイスオーケストラにならい、各グループ名には「○○パラダイスオーケストラ」という名称が用いられています。

表題曲「真夜中は純潔」は、当初3枚目のアルバム『加爾基 精液 栗ノ花』に「愛妻家の朝食」と共に収録される予定でしたが、アルバム全体のコンセプトに合わないと判断され、収録が見送られました。そのため、長らくオリジナルアルバムには未収録のままでしたが、2019年11月13日にリリースされた初のオールタイムベストアルバム『ニュートンの林檎 〜初めてのベスト盤〜』に、初めて収録されました。

このシングルリリース後、椎名林檎は産休に入り、一時的に活動を休止しました。初回限定盤には、特典として「リンリン生唾ブロマイド」が付属していました。

ミュージック・ビデオ

表題曲「真夜中は純潔」のミュージック・ビデオは、番場秀一が監督を務め、全編アニメーションで制作されています。当初は実写で撮影される予定でしたが、衣装合わせの段階で椎名林檎の妊娠が判明したため、急遽アニメーションに変更されました。

ミュージック・ビデオには、椎名林檎自身が演じる予定だった女性主人公と、サイボーグ猫として描かれた彼女の愛猫「ゲーテ」、そして彼女と戦う悪の組織が登場します。また、東京スカパラダイスオーケストラのメンバーもカメオ出演しています。女性主人公が持つ通信機は、椎名林檎がピザ屋でアルバイトをしていた頃に初任給で購入したバンドネオンをモチーフにデザインされました。この女性キャラクターは、椎名林檎に似ているものの、実は別人という設定で、一般公募によって「潔純 真夜（きよずみ まよ）」と名付けられ、フィギュアも製作されました。悪役側のボスキャラクターは、当初椎名林檎のバックバンドのキーボーディストである皆川真人氏に依頼する予定でしたが、実写からアニメに変更されたため、絵としてのみ参加することになりました。彼はレコーディングには参加していません。

収録曲

1. 真夜中は純潔
- この楽曲は、椎名林檎がデビュー前にすでに書き上げていたものです。編曲は東京スカパラダイスオーケストラが担当していますが、演奏クレジットには「新東京スカパラダイスオーケストラ」と表記されています。
- 当初は3枚目のアルバムに収録される予定でしたが、見送られました。
- ライブでの初披露は2003年のライブツアー「椎名林檎 実演ツアー 雙六エクスタシー」で行われました。
- 4枚目のオリジナルアルバム『三文ゴシップ』に収録されている「密偵物語」は、この楽曲の続編という位置付けとなっています。

2. シドと白昼夢
- デビューアルバム『無罪モラトリアム』に収録された楽曲の別バージョンです。
- 2ndアルバム『勝訴ストリップ』に収録されている「浴室」と同様に、初期のイメージとアルバムに収録する際のイメージが異なったため、シンプルにレコーディングしたものを原曲の複雑な構成に戻してアレンジし直しています。
- 漢字には全てルビが振られ、一人称が「あたし」から「私」に変更されています。
- 10周年記念ライブ「椎名林檎 (生)林檎博'08 〜10周年記念祭〜」では、このアレンジで披露されました。

3. 愛妻家の朝食
- 編曲を担当した森俊之は、続けて8thシングル「茎 (STEM) 〜大名遊ビ編〜」や3rdアルバムの制作にも参加しています。
- 演奏には、世界的に有名なアコーディオニストcobaが参加していますが、椎名林檎は当初その事実を知りませんでした。
- 椎名林檎は、オケ（楽器演奏による伴奏音源）を聴いた際、ハウス食品の「カレーマルシェ」のCMソングを思い浮かべたそうですが、その作曲者本人が参加していることを後で知ったそうです。
- cobaは後に、アルバム『三文ゴシップ』収録の「凡才肌」で編曲とアコーディオンを担当しています。

詳細

アナログ盤

• - 1週間先行して発売されました。

演奏

• - 各曲ごとに異なる演奏グループが参加。

脚注

注釈

• - 特になし

出典

• - 特になし

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