真田信綱

真田信綱：戦国時代の剛勇武将

真田信綱（さなだ のぶつな）は、戦国時代の著名な武将で、武田信玄と武田勝頼の二代に仕えた人物です。彼の幼名は源太郎で、官途は左衛門尉として知られています。武田家の騎馬200騎を指揮する侍大将であり、武田二十四将の一人として名を馳せました。

家系の背景

信綱は甲斐国の守護である武田氏に仕える真田幸綱（幸隆）の嫡男でした。母は真田家の譜代家臣である河原隆正の妹か、もしくは飯富虎昌の娘とされており、その家系は古くからの武士の名家です。正室とは「於北様」と呼ばれ、北信濃の旧族である高梨政頼や井上次郎座衛門の娘という説があります。彼には真田与右衛門、真田信興、真田信光などの子がいます。中でも与右衛門は越前松平家に仕官した人物です。

生涯と武田家の家臣時代

天文6年（1537年）に生まれた信綱は、兄弟の昌幸や信尹が幼少期から武田信玄に仕えていた影響で、早くから信玄の元に出仕していたと考えられています。初出史料は真田氏の氏神である四阿山白山神社に奉納されたもので、父・幸綱との連署が確認されていますが、信綱の公式な初陣については天文21年（1552年）の小岩嶽城攻めであるとの伝承があります。前半生については父が先陣を切っていたため、詳細は不明です。

永禄4年（1561年）の第4次川中島の戦いでは、父の幸綱と共に活動し、信綱は信濃の本貫地を実質的に支配するようになっていました。元亀3年（1572年）には幸綱に代わって信頼される立場にあり、戦場では父や弟とともに転戦していました。彼は数々の戦に参加し、特に先鋒隊として名を馳せました。

最期とその影響

天正2年（1574年）に幸綱が亡くなり、信綱は真田家の家督を正式に引き継ぎました。翌年の天正3年（1575年）には有名な長篠の戦いに球を揮し、奮戦しますが、弟・昌輝とともに銃撃を受け戦死しました。享年39。設楽原古戦場に残されている墓碑には、「真田源太左衛門尉信綱の碑」と刻まれており、彼の名は今も残っています。

信綱の子は家督を受け継ぐことができず、弟の昌幸が代わりに継承しました。信綱を討ったのは徳川方の渡辺半十郎だと言われていますが、実際には他の武将によるものだという説も存在します。信綱の首は家臣により甲斐に持ち帰られ、そこから「血染めの陣羽織」として知られる品が残されました。

人物像

信綱はその豪勇によって信玄からも将来を嘱望され、多くの人々から尊敬される存在でした。彼の勇姿は兄弟や周囲に大きな影響を与え、甥・真田信繁に同じ名を用いることも、信綱のように強くなってほしいという期待を表していると言われています。信綱は初陣で一番槍の功名を挙げ、「若年より武勇抜群」と評されたその姿は、歴史に名を刻んでいます。

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