眼鏡橋

眼鏡とは



眼鏡は、その名の通り、水面に映る姿が眼鏡のように見える、アーチが二つ連なった石造りのを指します。本来は2連アーチを指しますが、広義には単アーチや3連以上のアーチを含む石造アーチ全般を指すこともあります。また、石造だけでなく煉瓦造の眼鏡と呼ばれることがあります。

眼鏡の特徴



眼鏡は、その美しい景観から、地域のシンボルとして親しまれています。また、石造りのため耐久性が高く、古くから人々の生活を支えてきました。しかし、近年では道幅が狭いことや、洪水時に水の流れを阻害する可能性があることから、コンクリート製のに架け替えられたり、解体されたりする事例が増えています。

日本の眼鏡



日本には、数多くの眼鏡が現存しています。特に、長崎県には多くの眼鏡が残っており、その中でも長崎市眼鏡は日本最古の本格的な石造アーチとして知られています。また、長崎県波佐見町佐世保市世知原町にも多くの眼鏡があり、地域の人々の生活に密着しています。

長崎県



長崎市: 中島川には多くの石が架かっており、その中でも「眼鏡」は日本最古の本格的な石として有名です。このは2連アーチで、他のが単アーチであるのと対照的です。
波佐見町: 波佐見盆地には多くのがあり、その中には眼鏡も含まれています。この地域の眼鏡は、川棚川上流の窯業地に多く存在しています。ただし、名前が付けられている眼鏡は少ないです。
世知原町: 佐々川本流や支流に17もの眼鏡があります。これらのには名前が付けられていますが、その由来ははっきりしていません。

その他の地域の眼鏡



群馬県: 碓氷第三梁は煉瓦造りの4連アーチで、国の重要文化財に指定されています。
福岡県: 早鐘眼鏡は単アーチで、こちらも国の重要文化財です。
熊本県: 通潤や霊台は、農業用水路として作られた単アーチで、国の重要文化財です。
大分県: 虹澗は単アーチで、こちらも国の重要文化財に指定されています。また、宇佐市には複数の登録有形文化財である眼鏡があります。
沖縄県: 天女は単アーチで、国の重要文化財に指定されています。
福井県: 坂井市にある眼鏡は煉瓦造りの単アーチで、国の登録有形文化財です。
長野県: 北の沢の渡河は、石造と煉瓦造の単アーチで、国の登録有形文化財です。
宮崎県: えびの市には3連アーチのめがねや単アーチの靉靆など、複数の登録有形文化財である眼鏡があります。

この他にも、全国各地に多くの眼鏡が現存しており、それぞれが地域の歴史や文化を物語っています。

眼鏡の保護



眼鏡は、土木技術の粋として重要な構造物であり、地域の景観を形成する上でも欠かせない存在です。しかし、近年では、老朽化や都市開発の影響で、解体されるケースも少なくありません。そこで、「日本の石を守る会」という団体が、全国の石眼鏡桁[[橋]])を対象に保護活動を行っています。これらの活動によって、未来へと眼鏡の美しい姿が受け継がれていくことが期待されます。

代表的な眼鏡(文化財)



国の重要文化財



碓氷第三群馬県安中市):1893年竣工、煉瓦造4連アーチ
早鐘眼鏡(福岡県大牟田市):1674年竣工、単アーチ
眼鏡(長崎県諫早市):1839年竣工
眼鏡(長崎県長崎市):1634年竣工
(長崎県平戸市):1702年竣工、単アーチ
通潤熊本県上益城郡山都町):1854年竣工、単アーチ
霊台熊本県下益城郡美里町):1847年竣工、単アーチ
虹澗大分県豊後大野市):1824年竣工、単アーチ
天女沖縄県那覇市):1502年竣工、単アーチ

国の登録有形文化財



眼鏡福井県坂井市):煉瓦造単アーチ
北の沢の渡河長野県上伊那郡辰野町):石造及び煉瓦造単アーチ
明治村天童眼鏡愛知県犬山市
目鏡広島県世羅郡世羅町
三見山口県萩市
四国村石舟のアーチ香川県高松市):単アーチ
呉川眼鏡(福岡県田川郡
若宮井路笹無田石拱大分県竹田市
鷹岩大分県宇佐市):単アーチ
水雲大分県宇佐市
櫛野大分県宇佐市):単アーチ
中島大分県宇佐市):単アーチ
念仏大分県宇佐市):単アーチ
両合川大分県宇佐市):単アーチ
詰水路大分県宇佐市):単アーチ
めがね宮崎県えびの市):3連アーチ
靉靆宮崎県えびの市):単アーチ
享保水路太鼓宮崎県えびの市):単アーチ
堀川(乙姫宮崎県日南市):単アーチ
新大鹿児島県薩摩川内市

土木学会選奨土木遺産



宮守川[[橋梁]]岩手県遠野市):鉄筋コンクリート造5連アーチ
めがね(倉松落大口逆除)(埼玉県春日部市):煉瓦造4連アーチ(樋門を道路として使用)
眺尾千葉県南房総市):3連アーチ
明正井路一号幹線一号大分県竹田市):6連アーチ

これらの眼鏡は、日本の歴史と文化を伝える貴重な遺産であり、今後も大切に保護していく必要があります。

関連情報



アーチ
二重[[橋]]
* 中島川

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