矢代田駅

矢代田駅：地域に根付く信越本線の駅

新潟市秋葉区矢代田にあるJR東日本信越本線の矢代田駅は、明治30年（1897年）11月20日に北越鉄道の駅として開業しました。以来、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として、長い歴史を刻んできました。

駅の歴史と変遷

開業から国有化、そしてJR東日本への移行と、矢代田駅は日本の鉄道史とともに歩んできました。昭和45年（1970年）に貨物取扱いを廃止、昭和59年（1984年）には荷物扱いも廃止されるなど、時代の変化に合わせて役割を変えながらも、地域住民の生活に寄り添い続けてきました。平成18年（2006年）にはSuicaが導入され、利便性がさらに向上しました。

しかし、先代の駅舎は築90年以上が経過し、老朽化と手狭さが課題となっていました。駅周辺の整備も遅れており、特に駅西側の舟戸地区の宅地開発の進展に伴い、駅舎の改築と駅前広場の整備が急務となりました。

そこで、新潟市とJR東日本新潟支社は、「矢代田駅周辺地区都市再生整備計画」を策定。平成18年度から平成20年度までの5箇年計画で、橋上駅舎への改築工事が進められました。プレハブの仮駅舎を設置し、旧駅舎を撤去。駅舎周辺の狭隘な土地事情を克服するため、一部住宅の移転も行われました。

平成20年（2008年）6月14日には、橋上駅舎と自由通路が仮供用を開始。同年9月に駅舎が竣工し、駅前広場や周辺道路の整備を経て、平成22年（2010年）夏に全面竣工を迎えました。ジェイアール東日本建築設計事務所の設計、第一建設工業の施工により、延床面積1,266.4㎡の近代的な駅舎が完成しました。この整備事業は、豊栄駅や亀田駅と同様に、新潟市合併建設計画に盛り込まれていました。

駅構造と利用状況

現在の矢代田駅は、単式ホーム2面2線の地上駅で、橋上駅舎を備えています。新津駅管理の業務委託駅で、JR東日本新潟シティクリエイトが受託運営を行っています。2階コンコースには、有人改札口、自動券売機、簡易Suica改札機、化粧室などが設置され、利便性の高い構造となっています。東西自由通路は新潟市と秋葉区建設課が管理しています。

令和5年度（2023年度）の1日平均乗車人員は853人です。駅周辺には新潟県立新津南高等学校があり、多くの生徒が利用しています。朝夕は高校生による通学利用が目立ちます。近年は、秋葉区による小須戸地区の交通拠点としての整備計画も進められており、パークアンドライド用駐車場の設置やシャトルバス運行の実験なども行われています。そのため、通勤利用者の増加傾向も見られます。

駅周辺の環境

矢代田駅は、秋葉区小須戸地区の2つの市街地の東側、矢代田地域に位置しています。もう一つの市街地である小須戸は西に約3km離れています。

東口側は古くからの矢代田地域の中心地で、国道403号の旧道が南北に走っています。商店が数軒あり、北側には新潟県立新津南高等学校があります。西口側は新興住宅地となっており、国道403号新津南バイパスが南北に走っています。線路沿いにはサイクリングロードも整備されています。

バス路線

東口ロータリーには矢代田駅前バス停があり、新潟交通観光バスの矢代田線（SW3・4）と、秋葉区のコミュニティバスが乗り入れています。時刻表などの詳細は、「秋葉区公共交通ガイド」で確認できます。平成22年2月1日からは、駅東側の県道320号沿いのバス停からロータリー内へ移設され、乗換の利便性が向上しました。

新津中心部方面、小須戸・白根方面への路線バスが運行しており、地域を広くカバーしています。また、東口は田上町の予約型乗合タクシー「ゴマンド号」の乗降場所にもなっています。

隣の駅

信越本線では、上り方面は加茂駅、下り方面は古津駅が隣接しています。快速列車も停車します。

まとめ

矢代田駅は、歴史と発展を遂げ、地域住民に寄り添う駅として、これからも重要な役割を担っていくことでしょう。

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