石屋川駅

石屋川駅：歴史と変遷を刻む阪神本線の一駅

石屋川駅は、兵庫県神戸市東灘区御影石町に位置する、阪神電気鉄道本線沿線に佇む駅です。駅番号はHS 26。1905年（明治38年）、阪神本線の開通と同時に開業しました。以来、地域住民の足として、長きに渡り利用されてきました。

揺るぎない歴史：開業から震災、そして復興へ

開業から60年以上が経過した1967年（昭和42年）、駅西側に石屋川車庫が設置され、石屋川駅は車庫のある駅となりました。しかし、1995年（平成7年）1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、甚大な被害を受け、駅も一時営業を停止しました。特に石屋川車庫は壊滅的な被害を受けましたが、関係者の懸命な努力により、翌年3月20日には車庫は再建されました。そして、同年6月26日、御影駅～西灘駅間の運転が再開され、石屋川駅も営業を再開しました。この震災からの復興は、駅の歴史において大きな転換点となりました。

2009年（平成21年）3月19日には、本線準急の運行が終了しました。これにより、優等列車の発着がなくなることとなり、駅の利用状況にも変化が見られました。2014年（平成26年）4月1日には駅番号が導入されるなど、時代に合わせて駅は変化を続けています。

駅構造と特徴：島式ホームと車庫の共存

石屋川駅は、島式ホーム1面2線を有する盛土高架駅です。神戸三宮寄りには石屋川車庫があり、片渡り線も存在するため、単なる停留所ではありません。地上部には1ヶ所の改札口があり、2階ホームの一部は石屋川に架かっています。なお、阪神本線において、1面2線の島式ホームを持つ駅は、石屋川駅と元町駅の2駅のみです（2018年11月現在）。

震災前までは相対式ホーム2面2線の構造でしたが、震災を機に現在の島式ホームへと改築されました。石屋川車庫の留置線は駅南側に伸びていますが、震災以前は御影駅から北側まで伸びていました。ホームの有効長は120メートルで、阪神車両6両編成に対応していますが、2009年3月のダイヤ改正以降は4両編成のみの停車となっています。

のりば番号は、公式サイトの構内図では上りホームが1番線、下りホームが2番線とされています。実際には構内にはのりば番号の表記はありませんが、上りホームからは下り方面（三宮方面）への発車も可能です。

利用状況と周辺環境：生活に密着した駅周辺

駅周辺には喫茶店や飲食店が点在し、駅構内には売店もあります。バスは駅前に乗り入れていませんが、駅から約200メートル北の国道2号上に神戸市バス（御影公会堂前）と阪神バス（上石屋）の停留所があります。

駅周辺には、神戸酒心館、処女塚古墳、神戸市立御影公会堂、神戸市建設局東部事務所、兵庫県立御影高等学校、神戸市立御影小学校、武庫山理性院、東明八幡神社、石屋川、石屋川公園、阪神電気鉄道石屋川車庫、マルヤナギ小倉屋本社などがあります。

運行状況：車庫のある駅ならではの運行形態

車庫のある駅という特性から、早朝には石屋川駅始発の普通列車が設定されています。2022年12月17日のダイヤ改正では、石屋川駅終着の普通列車が御影行きに変更され、御影駅で折り返して石屋川車庫に入庫するようになりました。かつては三宮方面行きの石屋川駅始発準急も運行されていましたが、ダイヤ改正により廃止されました。現在は、三宮駅始発の須磨浦公園方面行きの阪神特急が事実上、普通列車として運行されています。

隣の駅

隣の駅は、上り方面が御影駅、下り方面が新在家駅です。直通特急、特急、快速急行は当駅を通過します。

石屋川駅は、歴史と変化を刻みながら、地域住民の生活に寄り添い続けている駅と言えるでしょう。これからも地域の重要な拠点として、その役割を果たし続けることでしょう。

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