石山寺駅

石山寺駅：京阪石山坂本線沿線の歴史と魅力

石山寺駅は、滋賀県大津市螢谷に位置する京阪電気鉄道石山坂本線に属する駅です。駅番号はOT01。古くからの歴史を持つこの駅は、近江の豊かな自然と文化に囲まれた魅力的な場所にあります。

歴史を辿る：螢谷駅から石山寺駅へ

石山寺駅の起源は、1914年（大正3年）に大津電車軌道が唐橋前駅から延伸された際に開業した螢谷駅に遡ります。開業日は文献によって異なり、2月とする説と6月とする説が存在しますが、同年6月4日には螢谷駅から延伸され、石山寺駅が開業しました。その後、幾多の合併を経て、琵琶湖鉄道汽船、京阪電気鉄道、京阪神急行電鉄（現在の阪急電鉄）と変遷し、1949年に京阪電気鉄道の駅として独立しました。1950年には石山蛍谷駅に改称された後、1953年には現在の石山寺駅に再改称されました。1991年には駅舎の改築が完了し、現代的な駅舎へと生まれ変わりました。2003年には、駅員配置が終日配置から一部時間帯配置に変更されています。また、2018年には、京阪線で最後まで残っていた反転フラップ式の発車標が撤去されました。

駅の構造と特徴

石山寺駅は地上駅で、頭端式ホーム3面2線を有しています。京阪線では鋼索線を除き唯一、2線とも車両両側をホームに挟まれた構造となっています。外側のホームは降車専用、内側のホームは乗車専用として運用され、混雑時は2番線を降車専用として使用する場合があります。ホームへは駅舎からスロープでアクセスします。改札口は1ヶ所のみで自動改札機が設置されていますが、スルッとKANSAI共通磁気カードには対応しておらず、無人となる時間帯もあります。ホーム有効長は2両分です。バリアフリー対応として、2番のりば降車専用ホームには車イス・オストメイト対応の多目的トイレが設置されています。

駅周辺：歴史と自然に囲まれた環境

駅の東側には国道422号が流れ、瀬田川が並行して流れています。国道沿いを南下すると、石山寺、石山公園、平津峠を経て南郷洗堰（瀬田川洗堰）に至ります。駅周辺は住宅地が広がり、細い路地が入り組んだ趣のある街並みが広がっています。駅北西側は住宅地で、西へ進むと滋賀県立石山高等学校があります。また、駅北側では石山坂本線が名神高速道路・東海道新幹線と立体交差しています。その付近には住友活機園という邸宅があります。瀬田川沿いにはボート部の合宿所や艇庫が点在しています。

アクセスと周辺施設

石山寺：徒歩約10分
石山寺港：観光船発着
石山温泉
蛍谷公園：駅向かい
伽藍山公園：駅南西
住友活機園
滋賀県立石山高等学校

交通アクセス：バス路線

石山寺駅隣には「京阪石山寺」バス停があり、京阪バスの路線が発着しています。平日の朝夕は、甲賀市コミュニティバスも利用可能です。

資料

川島令三『【図説】日本の鉄道 東海道ライン 全線・全駅・全配線 第6巻 米原駅 - 大阪エリア』講談社、2009年
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年
『京阪電鉄のひみつ』PHP研究所、2014年
『JTBの交通ムック 27 京阪電車 まるまる一冊』JTBパブリッシング、2015年
地理情報開発 (編)『日本路面電車地図鑑』平凡社、2021年

石山寺駅は、歴史と自然、そして現代的な設備が調和した、魅力的な駅です。近江の旅の拠点として、ぜひ訪れてみてください。

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