石見簗瀬駅

石見簗瀬駅（いわみやなぜえき）

石見簗瀬駅は、かつて島根県邑智郡美郷町簗瀬に位置していた、西日本旅客鉄道（JR西日本）三江線の駅でした。2018年4月1日の三江線全線廃止に伴い、惜しまれつつもその歴史に幕を閉じました。

歴史

石見簗瀬駅は、1935年（昭和10年）12月2日に三江線が石見川本駅から延伸した際に、終着駅として開業しました。当時は有人駅として賑わいを見せていました。

1935年（昭和10年）12月2日：三江線が石見川本駅から延伸し、終着駅（有人駅）として開業。
1937年（昭和12年）10月20日：三江線が当駅から浜原駅まで延伸し、途中駅となる。
1955年（昭和30年）3月31日：三江南線開業に伴い、従来の三江線が三江北線に改称され、当駅も同線所属の駅となる。
1974年（昭和49年）10月1日：貨物の取り扱いを廃止。
1975年（昭和50年）8月31日：江津駅 - 三次駅間が全通し、三江北線が現行の三江線の一部となり、当駅も同線所属の駅となる。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物扱い廃止。
1985年（昭和60年）3月14日：駅員無配置駅となる。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道が承継。
1999年（平成11年）3月13日：江津 - 口羽駅間を運休して、列車交換設備を撤去。周辺駅でも同様の措置が取られた。
2018年（平成30年）4月1日：三江線の全線廃止に伴い、廃駅となる。

地名の由来

簗瀬の地名は、川辺に梁（やな）を仕掛け、魚を捕る場所であったことに由来します。この地名は日本各地に点在しており、古くは東大寺文書にもその名を見ることができます。

駅構造

石見簗瀬駅は地上駅でした。かつては島式ホーム1面2線を有する駅でしたが、1999年3月に駅舎側の線路が撤去され、単式ホーム1面1線の構造となりました。構内には踏切の跡が残り、駅舎とホームを結んでいました。かつては駅員が配置されていましたが、廃止時には無人駅となり、自動券売機などは設置されていませんでした。

2019年11月末には、老朽化した旧駅舎が取り壊され、跡地は更地となっています。

利用状況

近年の1日平均乗車人員は以下の通りでした。

1994年度：66人
1984年度：103人

駅周辺

石見簗瀬駅は旧吾郷村の中心部に位置し、住宅が比較的多い地域でした。

吾郷郵便局

バス路線

三江線廃止前は、美郷町スクールバス邑智循環線が「簗瀬駅前」バス停に停車していました。2018年4月時点では、大和観光の川本美郷線が乗り入れています。

その他

三江線活性化協議会によって、石見神楽の演目名にちなんだ「岩戸」という愛称が付けられていました。駅近くの天津神社が天津神を祀っていることから、高天原神話の天岩戸が連想されたためです。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

三江線
* 乙原駅 - 石見簗瀬駅 - 明塚駅

石見簗瀬駅は、地域の歴史と人々の生活に深く根ざした駅でした。廃止後も、その記憶は地域の人々の心に残り続けることでしょう。

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