砂時計

砂時計

砂時計は、中央がくびれた容器の中で砂が移動する時間を計測する道具です。砂が上から下へ流れ落ちることで時間の経過を測ります。砂時計は、正確な時刻を知ることはできませんが、一定時間の経過を知るタイマーとして機能します。

歴史

砂時計の起源は、古代エジプト、古代ギリシャ、ローマ、中国など諸説ありますが、正確なところは分かっていません。11[[世紀]]頃には航海用の時計として使われていた可能性も指摘されていますが、こちらも確証はありません。14[[世紀]]の絵画に描かれたことで、その存在が確認できるようになりました。

マゼランの世界一周航海では、18個の砂時計がナビゲーションに使用されたという記録があります。当時は正午の太陽の位置を基準に時刻を補正していたようです。また、戦闘時の時間計測や船の速力測定にも用いられました。

機械式時計の発明により、砂時計の実用的な役割は減少しましたが、現在でもタイマーや象徴的な意味合いで使われています。

機構

砂時計は、透明なガラスなどで作られた、両端が閉じ中央がくびれた容器で構成されています。この容器の中に、容量の半分以下の砂が入れられています。容器の形状は、製造上の理由から丸底のものが多く、外枠がついていることもあります。

容器の中央のくびれは、砂の流量を調整する重要な部分で、「蜂の腰」とも呼ばれています。砂の粒の大きさ、くびれの細さ、砂の質によって、計測時間が決まります。

砂時計に使われる砂は、自然の砂の他に、珪砂、砂鉄、シリカゲル、ジルコンサンドなど様々な素材が使用されます。これらは、砂時計の精度と耐久性を考慮して選ばれます。ガラスビーズや貝殻を粉砕したものも使われることがあります。

使用法と仕組み

砂時計を反転させると、砂はくびれを通り下部へと移動します。砂が全て落ちるまでの時間は、それぞれの砂時計によって決められています。砂が落ち切ったのを目視することで、時間の経過を確認できます。反転させることで、繰り返し時間を計測できます。

用途

現代では、砂時計は正確な時間を計るよりも、短時間のタイマーとして使われることが多くなっています。具体的には、料理の時間、学習時間、ゲームの制限時間、体温計の計測、サウナの時間など、数秒程度の誤差が許容される場面で使用されます。

象徴

砂時計は、時間という概念を象徴するアイコンとして、様々な場面で利用されています。コンピュータの画面上で待ち時間を表示するアイコンや、企業のロゴにも採用されています。

ヨーロッパでは、砂時計は死の象徴として扱われ、命の有限さを暗示するものとされています。墓石に羽の生えた砂時計が描かれることもあります。また、中世には海賊旗のデザインとしても使われました。

星空のオリオン座の形は砂時計に例えられたり、統計分析では二極に分化する様子を砂時計に例えることもあります。パズルとしても、特定の時間計測を砂時計で試みる問題がよく知られています。

オイル時計

砂時計と似た構造を持つものにオイル時計があります。オイル時計は、比重の異なる二種類の液体を使用しており、一方の液体が落下することで、もう一方の液体が上昇します。

また、比重の異なる液体と粒体を利用して、砂が上っていくように見える砂時計もあります。

著名な砂時計

島根県大田市にある仁摩サンドミュージアムには、一年を計ることができる世界最大の砂時計「砂暦」があります。

関連文献

砂時計の七不思議―粉粒体の動力学（田口善弘 中公新書 1995年 ISBN 4121012682）

関連項目

ストップウォッチ
サンドピクチャー
ズルワーン
* 砂時計星雲

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