神戸電鉄三田線

神戸電鉄三田線：三田と神戸を結ぶ路線

神戸電鉄三田線は、兵庫県神戸市北区の有馬口駅から三田駅までを結ぶ、全長12.0kmの鉄道路線です。駅ナンバリングではKBという路線記号が用いられています。有馬口駅では有馬線と、三田駅ではJR福知山線（JR宝塚線）と接続しており、神戸市内と三田地区を繋ぐ重要な役割を担っています。多くの列車が有馬線と直通運転しているため、「有馬・三田線」と案内されることも多くあります。

路線概要

三田線は、10駅を擁し、岡場駅～田尾寺駅間、および横山駅～三田駅間は複線化されています。全線は直流1500Vで電化されており、自動閉塞式を採用。最高速度は80km/hに達します。PiTaPaなどのICカードが全線で利用可能です。

沿線には神戸三田国際公園都市などの宅地開発が進み、大阪・神戸両方面への通勤・通学路線としての需要が高まっています。そのため、輸送力増強のための全線複線化が望まれてきましたが、1983年の複線化工事認可以降、1991年に横山駅～三田駅間、1998年に岡場駅～田尾寺駅間の複線化が完了したのみです。残りの区間については、沿線開発による地価高騰で用地買収が難航していること、および神戸電鉄の経営状況を考慮すると、総事業費（1997年時点では400億円と推定）の確保が困難であることから、工事はほとんど進んでいません。

1995年の阪神・淡路大震災では、大阪と被災地を結ぶ貴重な連絡ルートとして機能しました。

運行形態

三田線の運行形態は有馬線と一体となっており、有馬線新開地駅から三田駅への直通列車や、横山駅～三田駅間を走る公園都市線直通列車などが運行されています。普通、準急、急行、特快速の各列車種別があり、特快速のみ一部駅を通過します。日中は概ね15分間隔で運転され、公園都市線からの直通列車と合わせて高い運行頻度を誇ります。特に三田駅～横山駅間は、有馬線の新開地駅～鈴蘭台駅間と並ぶ高頻度運転区間であり、深夜1時頃まで運行が延長され、JR福知山線からの接続客にも対応しています。

1984年10月には、有馬線谷上駅折り返しの一部列車を岡場駅まで延長し、1991年3月24日の横山駅～三田駅間複線化により全線で4両編成運転が可能となりました。これに伴い、有馬温泉駅発着だった列車を岡場駅発着に変更、五社駅・岡場駅の停車本数が増加しました。1998年には特急列車が廃止され、全駅で1時間4本の停車となりました。

歴史

三田線の歴史は1928年12月18日、唐櫃駅（現在の有馬口駅）～三田駅間の開業に始まります。その後、駅名の変更や複線化工事、ダイヤ改正などが行われ、現在の姿へと変遷してきました。主な出来事としては、1991年の横山駅～三田駅間複線化、1995年の阪神・淡路大震災での被災地支援、1998年の岡場駅～田尾寺駅間複線化、そして2001年の道場南口駅南に車両留置施設（第三車庫）の完成などが挙げられます。

複線化計画

三田線の複線化計画は、1984年から開始されており、有馬口駅～三田駅間を3期に分割して進められる予定でした。第1期区間（有馬口駅～田尾寺駅間）の一部、および第2期区間（横山駅～三田駅間）は既に完成していますが、第3期区間（田尾寺駅～横山駅間）は現在も未着手です。

現在、複線化計画は事実上中断しており、神戸電鉄の公式ホームページでも今後の見通しについては明言されていません。しかし、有価証券報告書によると、全線複線化には367億3,300万円が必要とされ、すでに107億100万円を投じている状況です。今後の費用は地方自治体からの助成金と自己資金で賄う計画ですが、実現には多くの課題が残されています。

駅一覧

(駅一覧の表はでは表現できないため、本文中に記載せず。) 各駅の停車状況、複線区間、単線区間については、神戸電鉄の公式資料等をご確認ください。

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