私人逮捕

私人逮捕（しじんたいほ）とは

私人逮捕とは、一般人（私人）が現行犯を逮捕することです。法律上、現行犯逮捕は、警察官などの捜査機関だけでなく、一般の人にも認められています。これは、犯罪が行われている、または行われた直後の状況では、犯人の身柄を確保する必要性が高く、誤認逮捕のリスクが低いと考えられるためです。

日本法における私人逮捕

要件

日本で私人逮捕が認められるには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

1. 現行犯であること: 犯人が現に犯罪を行っているか、犯罪行為を終えた直後であることが条件です。準現行犯も含まれます。
2. 例外: 現行犯であっても、一定の軽微な犯罪（罰金や拘留、科料に相当する罪）の場合、犯人の住所や氏名が明らかでなく、逃亡のおそれがある場合に限られます。

警察官は勤務時間外や管轄外であっても、警察官としての職務として現行犯逮捕を行うことができるため、私人逮捕とは区別されます。

逮捕後の手続き

私人が逮捕した場合、速やかに犯人を地方検察庁・区検察庁の検察官、または司法警察職員（警察官など）に引き渡す必要があります。司法[[巡査]]（巡査・巡査長）が犯人を受け取った場合は、司法警察員（巡査部長以上）に引き継ぐ必要があります。

私人逮捕における有形力の行使と減免範囲

警察官が犯人を逮捕する際、抵抗や逃走があった場合には、警察官職務執行法に基づき、武器の使用を含めた制圧手段が認められています。しかし、私人逮捕の場合は、認められる有形力の行使は限定的です。

最高裁判例では、「現行犯人から抵抗を受けたときは、逮捕をしようとする者は、警察官であると私人であるとをとわず、その際の状況からみて社会通念上逮捕のために必要かつ相当であると認められる限度内の実力を行使することが許される」とされています。

犯人からどのような抵抗を受けたか、犯人に対して行った有形力(物理的攻撃)の程度、犯人が負った怪我の程度、などの事情を総合的に判断して違法かどうかが判断されます。「(現行)犯人を逃さない」という正義感から私人逮捕でやりすぎてしまった場合、現行犯人が悪いわけであるため、警察への協力として、実際には捜査機関から暴行罪や傷害罪で検挙されることはほとんどありません。

注意点

私人逮捕は、あくまで例外的な措置であり、 правоприменяющие органы に協力する目的で行われるべきです。 правоприменяющие органы に通報するのが原則です。行き過ぎた行為は、かえって自身が罪に問われる可能性もあります。また、他人の行為を犯罪と決めつけて拘束する動画のYoutubeへの投稿が問題化しており、私人逮捕が許容される状況は限定的で行き過ぎた行為となれば犯罪が成立する可能性もあります。

過去の事例

過去には、窃盗犯を私人逮捕する際に、犯人の襟元を掴んで振り回したり、蹴ったりした行為が、「逮捕に伴うものとして許容される限度内」と判断された事例があります。

一方で、万引き犯を取り押さえる際に、店員が首を押さえつけたり、腹を蹴ったりした結果、万引き犯が死亡した事件では、店員が傷害致死罪で逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けています。この判決では、正当防衛の要件である「相当性」が欠けていると判断されました。

まとめ

私人逮捕は、法律で認められた権利ではありますが、要件や手続き、有形力行使の範囲などが厳格に定められています。 правоприменяющие органы への協力という目的を忘れず、冷静な判断と行動が求められます。 правоприменяющие органы に通報するのが原則です。

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