秋葉原ラジオ会館

秋葉原ラジオ会館：秋葉原の歴史と文化を象徴するランドマーク

秋葉原ラジオ会館、通称「ラジ館」は、東京都千代田区外神田一丁目に位置する商業ビルであり、秋葉原の象徴的な存在として知られています。株式会社秋葉原ラジオ会館が所有・運営しており、その事業は不動産賃貸、書籍販売、書道関連図書の出版など多岐にわたります。元々は1893年創業の西東書房がそのルーツです。

旧ラジオ会館：秋葉原の顔

旧ラジオ会館は、JR秋葉原駅電気街口の目の前にそびえ立ち、「世界の ラジオ会館 秋葉原」と大書されたネオン看板が目印でした。その建物は、まさに秋葉原の顔として親しまれていました。内部には、家電、オーディオ、パソコン、ゲーム、模型、玩具、書籍、DVDソフト、アマチュア無線機など、多種多様な商品を扱う店舗が軒を連ね、8階には貸会議室がありました。

「ラジオ」という名称は、開業当時、電子機器全般を指す言葉として一般的に使われていました。秋葉原の他の「ラジオ」を冠する小規模店舗と同様に、ラジオ会館も戦後のGHQによる露店排除命令を受け、営業場所を失った電気店のために建設されたのが始まりです。当初は電気製品や部品を扱う店が多かったものの、時代とともに家電、オーディオ、パソコンなどを扱う店が増加しました。特にパソコン関連では、NEC、富士通、日立、東芝、三菱電機といった大手メーカーのショールームが一時期集中し、7階には「パーソナルコンピュータ発祥の地」のプレートが設置されていました。

8階には、1893年創業の西東書房があり、『五體字類』をはじめとする書道関連図書の出版を行っていました。また、創業者の七條兼三が日[[本将棋連盟]]・日[[本棋院]]の有力な支援者であったことから、社長室には和室や日[[本庭園]]が設けられ、プロ棋士の対局場としても利用されていました。

しかし、時代の流れとともに、パソコンメーカーのショールームが撤退し、家電やオーディオを扱う店の経営が悪化。その跡地には、漫画、トレーディングカード、ガレージキットなどを扱う店舗が進出しました。老朽化が進み、耐震性の問題が指摘された旧本館は、2011年に閉館・取り壊しとなりました。

改築期間：分散営業と新たな展開

改築期間中、ラジオ会館は周辺の建物に分散し、1号館から3号館として営業を継続しました。1号館は石丸電気パソコン館跡、2号館はishimaru soft Jazz & Classic跡、3号館は電気街口北側に建設された仮設ビルに、それぞれオープンしました。ただし、移転後の規模は縮小されたため、一部の店舗は周辺の別のビルに移転しました。

新ラジオ会館：新たなスタート

2014年、新ラジオ会館が竣工し、全館がオープンしました。旧本館の入居店舗の多くが再入居しましたが、実際には半数程度にとどまりました。低層階を中心に新たなテナントを誘致し、1階はすべて新規テナント、地下1階にはラジオ会館初の飲食店が入居しました。一時的な移転先だった1号館から3号館は「別館」として一部店舗を残しましたが、その後、順次別のビルに移転し、3号館は解体され、跡地には商業ビル「BiTO AKIBA」がオープンしました。

法人としての活動

秋葉原ラジオ会館は、出版部門として西東書房を擁するほか、江東区白河で書店BOOKSりんご屋を運営しています。なお、「ラジオ会館」「ラジ館」の名称でECモール運営やイベント企画などを行う株式会社ラジオ会館は、2011年に設立された別の法人です。

沿革：秋葉原の発展と共に

• - 1950年：秋葉原ラジオ会館が開業。
• - 1953年：株式会社秋葉原ラジオ会館を設立。
• - 1962年：秋葉原ラジオ会館電化ビルを建設。
• - 1972年：秋葉原ラジオ会館本館が完成。
• - 1976年：若松通商が出店、日[[本電気]]がマイコン販売拠点を開設。
• - 1998年：K-BOOKS、海洋堂、ボークスが出店。
• - 2001年：Bit-INN LOUNGEが閉鎖。
• - 2006年：サトームセンが撤退。
• - 2011年：旧本館を閉鎖、新館建設。
• - 2014年：新本館ビルが開業。

現在の店舗：多様なニーズに応える

現在のラジオ会館には、アニメ、ホビー、トレーディングカード、書籍、飲食など、様々なジャンルの店舗が入居しています。

• - 地下1階：銀座ライオン
• - 1階：オンデーズ ナイン、カードラボ、ギフトショップ The AkiBa、ファミリーマート、トレカパーク、ホビーステーション、くじ専門店マッハ
• - 2階：アストップ、トモカ電気 プロショップ、ハビコロ玩具、カードショップ買賊王、ホビーステーション、とらのあな
• - 3階：K-BOOKS
• - 4階：あみあみ
• - 5階：アキバのエックス ラジ館店、宇宙船、海洋堂 ホビーロビー東京、magi、らしんばん、若松通商
• - 6階：イエローサブマリン
• - 7階：アゾンレーベルショップ秋葉原、ジャングル、トレカパーク、FEWTURE SHOP AKIBA
• - 8階：ボークス ドールポイント秋葉原、ボークス ホビースクエア秋葉原
• - 9階：BIG MAGIC、ファントム、ビリビリAKIBA、フルコンプ
• - 10階：イベントスペース、トモカ電気株式会社 本社・倉庫

秋葉原ラジオ会館は、単なる商業施設ではなく、秋葉原の歴史と文化を体現する存在です。常に変化を続けながらも、秋葉原の街と共に歩み続けています。

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